亀田和毅の2階級制覇 父・史郎氏は涙目で「井上尚弥がきたら面白い」

スポーツ報知
WBC世界Sバンタム級暫定王者となり、リングサイドで観戦した父・亀田史郎氏(左)と抱き合う亀田和毅

 ◆プロボクシング 世界戦▽WBC世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)暫定王座決定戦12回戦 ○亀田和毅(判定3―0)アビゲイル・メディナ●(12日、東京・後楽園ホール)

 3年ぶりの世界挑戦で2階級制覇に成功した亀田和毅の世界戦のリングサイドには迷彩服のジャケットをまとった父・史郎氏がいた。三男の戦いを見届け、「めちゃくちゃうれしいよ。この3年のブランクは、めちゃくちゃ厳しかった」と目を腫らして喜んだ。

 2010年3月に長男・興毅の世界戦を巡るどう喝問題で、国内では事実上の追放処分を受けた。和毅がWBO世界バンタム級王座に初挑戦した5年前はセコンドとしてリングに上がったが、この日は大声を出しながら観客席で見届けた。

 興毅の3階級、次男・大毅の2階級に続き、和毅も複数階級を制覇。3兄弟での複数階級制覇は史上初となり、史郎氏は「そりゃ、めちゃくちゃうれしいよ」と涙をぬぐった。

 2人の兄が引退し、和毅が最後のトリデとなった。この間は「俺は和毅の練習には口出しなかった」と史郎氏。12年に東京を離れて子離れ。出身の大阪に戻り息子たちの行く末を黙って見守ってきたという。「この3年間はこのまま…、という不安はちょっとはあった。でも俺ら亀田家は常にプラス思考で考えるから。めげない和毅を信じてやってきた」。和毅の心境を史郎氏は「亀田家はボクシングしかない、もうやるしかないって、気持ちだったと思う。お兄ちゃんがもう引退しているから、自分が負けたら終わり、ここは必ずという、プレッシャーとの戦いだった」と代弁した。

 1階級下のWBA世界バンタム級王者に3階級制覇の“モンスター”井上尚弥(25)=大橋=についても触れた。将来的に和毅と同じスーパーバンタム級に転向する可能性があるため、史郎氏は井上に熱視線。「和毅が力をつけて自信つけていって。(挑戦者として)井上がきたら面白い」と語った。

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