世界初の3兄弟2階級制覇達成!亀田和毅判定勝ち、興毅氏「亀田家大復活やな」

スポーツ報知
亀田和毅(中)がWBC世界スーパーバンタム級暫定王者となり、長兄・興毅氏(左)、次兄・大毅氏と記念撮影(カメラ・酒井 悠一)

◆プロボクシング 世界戦▽WBC世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)暫定王座決定戦12回戦 ○亀田和毅(判定3-0)アビゲイル・メディナ●(12日、東京・後楽園ホール)

 WBC世界スーパーバンタム級2位・亀田和毅(27)=協栄=が、同級1位アビゲイル・メディナ(30)=スペイン=に3―0の判定勝ち。長兄・興毅氏、次兄・大毅氏(ともに引退)に続く史上初の「3兄弟世界2階級制覇」を達成した。WBO世界バンタム級王座を返上した2015年4月以来、世界王者のベルトを亀田家に取り戻した。和毅の戦績は36勝(20KO)2敗、メディナは19勝(10KO)4敗2分け。国内ジム所属の世界王者は5人となった。(観衆1798)

 亀田家に3年7か月ぶりの世界王座をもたらした。和毅は序盤から左ジャブを軸に組み立て、自慢のスピードで危険を回避。中盤以降は強打で押し込まれたが、手数でポイントを譲らなかった。「1ラウンドからオヤジの声、兄ちゃんの声が聞こえた。3兄弟2階級制覇。これも全てオヤジのおかげ」。リングサイドで誰よりも声をからした父・史郎氏(53)に、三男坊が涙声で感謝を伝えた。

 和毅の世界戦は15年9月にWBA世界バンタム級王者マクドネル(英国)に敗れて以来。「いつになったら世界戦できるんや…」と目標を見失った時もある。「和毅は命がけで長い期間頑張ってきた。亀田家大復活やな」と興毅氏。陣営が「薬品が付くと目に入って危険」と抗議したひげも、相手は切りそろえた。協栄ジムの世界王者は13人目で国内単独最多。日陰で積んだ努力が実を結んだ。

 WBCのホセ・スライマン会長(享年82)が14年1月に死去。15歳でメキシコで単身武者修行した和毅にとって、大毅氏の「負けても王座保持」問題などの影響で日本で試合ができない期間も現地の地域タイトルの試合を組んでくれた恩人だ。「亡くなるまでサポートしてくれた。WBCはずっと取りたかったベルト。メキシコでも、俺の夢は変わらんかった」。前会長のために取った緑の勲章。「メキシコに行ってあいさつしたいね」と墓前に報告するつもりだ。

 3兄弟世界2階級制覇で、陣営は「3兄弟世界王者」と「3兄弟同時世界王者」に続く3つ目のギネス記録を申請する。次戦は、肩を負傷中の正規王座レイ・バルガス(メキシコ)との統一戦、暫定王座の防衛戦などWBCの指令を待つ。「内容は全然ダメ。みんなに感動を与えられる試合がしたい」。真の王者へ、課題は山積みだと理解している。(浜田 洋平)

 ◆亀田 和毅(かめだ・ともき)1991年7月12日、大阪市西成区生まれ。27歳。8歳からボクシングを始め、中学卒業後の2007年夏に15歳でメキシコに単身武者修行。08年11月にメキシコでプロデビューし2回KO勝ち。13年8月にWBO世界バンタム級王座獲得(3度防衛後返上)。15年10月に元アマチュアボクサーでメキシコ人のシルセ夫人と結婚。36勝(20KO)2敗。身長171センチの右ボクサーファイター。

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