井上拓真、日本初兄弟4団体統一へ兄・尚弥と熱海合宿

スポーツ報知
熱海で行われた合宿で、砂浜を競り合いながらダッシュする井上拓真(右)と兄の尚弥(カメラ・生澤 英里香)

 WBC世界バンタム級4位・井上拓真が、WBA同級王者の兄・尚弥(25)と“火花”を散らした。世界初挑戦となる同級2位ペッチ・CPフレッシュマートとの暫定王座決定戦(報知新聞社後援)に向け13日、静岡・熱海市内で3泊4日の合宿を開始。兄が世界中に衝撃を与えた10月の70秒KO勝利を生んだ過酷な体力強化メニューを行い、2人で切磋琢磨(せっさたくま)し、日本初の兄弟4団体統一を目指す。

 気温15度、強い浜風の吹くビーチが熱く燃えた。井上兄弟は約1時間半、いとこで日本スーパーライト級1位の浩樹(26)=大橋=と走り込み。ランニング10本計約8キロを終えると、重さ約17キロの土のうを担いでの砂浜ダッシュ12本などを消化した。競争形式で1着を争うと汗だくだ。

 「すごく(尚弥に)後ろからあおられている感じはする」と刺激を受けた拓真。競争に負けたら、さらにキツいトレーニングの罰ゲームなど提案した尚弥は「そっちの方が楽しく競い合える。ただキツいだけじゃなく、笑いあり、涙ありでね。やっぱり負けたくない」と対抗心を燃やした。

 過酷なメニューについて、尚弥は「全身、バランスよく鍛えられる。足腰に一番(疲労が)来る。特にケツっすね。これがアレですよ」とニヤリと笑った。「アレ」とは、70秒KO勝ちした10月の「ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)」初戦の一撃だ。一瞬のインステップで相手の懐に入り込んで放った右ストレート。瞬時の動きにつながるでん部強化の重要性を説いた。

 3月頃にWBSS準決勝に臨む尚弥は、優勝すれば3団体統一。「戦い方の助言をしたい。引っ張って行きながらやりたい」と世界初挑戦となる弟のサポートを約束したが、この日の最後で右ふくらはぎがつった弟に「いや~、足がつってちゃ、まだまだでしょ」とダメ出しも忘れなかった。

 競争形式の砂浜ダッシュでは何度も兄を上回った拓真は「早く世界王者になりたいし、いつも以上に体が反応している。お手本になることが多いので吸収したい」。井上兄弟が“最強のライバル”として競い合い、2人で4つのベルトを独占する。(浜田 洋平)

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