成松大介、騒動乗り越え全日本V2 助成金不正流用問題で「心身ともにボロボロだった」

スポーツ報知
ライトウエルター級を制した成松(右)

◆ボクシング 全日本選手権 最終日 ▽ライトウエルター級決勝 成松大介(判定 5―0)秋山佑汰(18日、茨城・水戸桜ノ牧高常北)

 各階級の決勝を行い、ライトウエルター級の成松大介(28)が、2連覇で8度目の優勝を果たした。秋山佑汰(24)=ともに自衛隊=に5―0の判定勝ち。助成金不正流用など、一連の日本ボクシング連盟を巡る騒動の渦中にいたが、心身ともに疲弊しきった日々を乗り越え、日本一の称号を守り抜いた。今大会は2020年東京五輪の代表選考会の一つに位置づけられる。

 成松が2年連続で全日本を制した。序盤は相手のジャブを多くもらったが、徐々に反撃。距離を取りながらタイミングよく左ストレートを当てた。技能賞を獲得し、「的確に勝つのが身上。自分のクリーンヒットが上回った」と胸を張った。

 7月に助成金の不正流用問題が発覚。2016年リオ五輪代表の成松は、日本スポーツ振興センター(JSC)の交付した助成金の一部を、日本連盟の山根明前会長(79)らの指示で別の選手に分配したとされた。「テレビに朝から晩まで自分が映って気になった。ネットのコメント欄も放送禁止用語とか書かれていた。心身ともにボロボロだった」。アジア大会を控えるなか、中傷で心を痛めて練習を休養。「休んだことで状態が上向いた。調整での発見」と前向きに捉え、同大会の銅メダル獲得につなげた。

 国際協会(AIBA)の問題で、20年東京五輪は実施競技から除外される可能性もある。「僕らは成績を出すだけ。世界大会でメダルを取ればニュースになる」。今度は活躍する姿を世間に届ける。(浜田 洋平)

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