ボクシングの五輪存続へIOCに直談判…内田日本連盟会長に竹田JOC会長“加勢”

スポーツ報知
内田貞信日本ボクシング連盟会長

 2020年東京五輪実施競技から除外危機にあるボクシングで、国内のアマチュアを統括する日本連盟が29日に国際オリンピック委員会(IOC)に競技存続を直談判することが27日、分かった。IOCは、23日からバッハ会長ら視察団が来日中。日本連盟は都内でIOCのキット・マコネル競技部長らと面会することになった。全国で競技存続に向けた署名活動を実施中で、五輪で存続か除外かの審議を行う30日からのIOC理事会に先立ち約40万人分の署名を手にアピールする。

 日本連盟が“接近戦”で競技存続をアピールする。日本オリンピック委員会(JOC)を通じ、29日に都内でIOCのマコネル競技部長との面会が決定。日本連盟は内田貞信会長(46)、菊池浩吉副会長(54)が出席し、JOCの竹田恒和会長(71)も同席する予定だ。日本連盟関係者は「時間を取っていただいたので、積極的に意見交換をしたい」と明かした。

 IOCは約1年半後に控えた東京五輪に向け、23日に視察団が来日。当初、日本連盟はバッハ会長との面会を希望していたが、日程面の調整で折り合わなかった。しかし、マコネル氏も五輪の競技運営を統括するIOC上層部の一人。存続、除外が審議される30日からのIOC理事会の前に、思いを伝えるつもりだ。

 五輪存続に向け、日本連盟は約1か月前から「100万人署名活動」を実施中。全国各地のアマ大会、選手が所属する学校、プロ興行などで署名を呼びかけてきた。元IBF世界ミニマム級王者・京口紘人(25)=ワタナベ=ら現役選手も活動に参戦し、一時集計した27日時点では約40万人分が集まった。関係者は「面会の時に一緒に渡したい。日本はこれだけボクシングをやりたがっている、ということを伝えます」と話した。

 29日夕方には存続を訴える決起大会を都内で開催する。日本ボクシング界で初めてプロからアマ転向した、元世界主要4団体ミニマム級王者の高山勝成(35)=名古屋産大=や、元五輪日本代表、アマの現役トップ選手も参加予定だ。

 国際ボクシング協会(AIBA)は16年リオ五輪以降、ドーピング違反への対応遅れや相次ぐ不可解な判定、八百長の買収疑惑など問題が山積。ガフール・ラヒモフ新会長(67)が国際犯罪組織の一員とされる疑惑や、不透明な財政面もIOCに指摘され、五輪競技からの除外を警告されていた。まずは開催地の日本が直接アピールを狙う。

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