清水聡がV4! 東京五輪除外危機にアマ選手へ送ったメッセージ「とにかく練習を」

スポーツ報知
3回TKO勝ちで4度目の防衛に成功した清水聡

◆プロボクシング ▽東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦 王者・清水聡(3回TKO)同級6位・上原拓哉(3日、東京・後楽園ホール)

 2012年ロンドン五輪バンタム級銅メダルで、東洋太平洋フェザー級王者・清水聡(32)=大橋=が、4度目の防衛に成功した。同級6位・上原拓哉(23)=アポロ=に3回1分26秒でTKO勝ち。サウスポー同士の全勝対決を制し、同門の元世界3階級王者・八重樫東(35)と積んだトレーニングの成果を見せつけた。今後は夢の世界挑戦を目指す。清水の戦績は8勝(8KO)、上原は16勝(10KO)1敗。

 愛称の「ダイヤモンド・レフト」が火を噴いた。清水は2回に左ストレートでダウンを奪うと、再開直後に左ボディーストレートからのラッシュで膝を付かせた。さらに手を緩めず右フックで倒し、この回3度目のダウン。「ガードの上からでも相手がひるむと思った」と左拳をブンブンと振り回すと、会場の熱気も最高潮に。3回にも狙い済ました左ストレートで4つ目のダウンを奪い、TKO勝ちで歓声に応えた。

 「まだ8戦目だけど、この8戦が長く感じる。大橋(秀行)会長にも『10年くらいいるよな』と言われる。2年ちょっとなんですけどね。焦っちゃうので、わざとゆっくりのらりくらり動いて、体を心を連携させていた。省エネにもつながるし」と風格を漂わせた。力強さを増した左には「キレが出ていた。パワーはかなりついている」と胸を張った。

 8月にV3成功後、同門の先輩・八重樫と3日間の大阪合宿でフィジカル強化。10日間も筋肉痛がとれないほど、下半身を中心に全身を鍛え上げた。終われば手が上がらず、歯も磨けない。「八重樫さんの背中を追いながらやっている」。尊敬する先輩に負けじと筋力強化に打ち込み、ミットを打つパンチも重くなった。

 自身が育ったアマチュアでは、2020年東京五輪の競技実施可否が決まらず、結論は来年6月に持ち越しとなった。「心配している。世界中のアマチュアボクサーが目指しているし、古代五輪からある競技。なくなるのは考えられない。(署名活動など)やれることをやりたい。アマチュアがあるからこそ今がある。あとは祈るだけ」と存続を熱望。現役選手にとっては、五輪本番の1年1か月前まで実施が決まらない状況に「やっぱり全力で取り組めないと思う。それでも選手は気にせず、とにかく練習をしてほしい」と思いやった。

 世界ランクはIBF3位、WBC6位につける。大橋会長(53)は「デビューから印象が違う。これだけイメージが変わった選手はいない。特にパンチ力」と成長を実感。「チャンスがあれば次にでも」と来年の世界初挑戦を後押しするつもりだ。清水は「トップレベルに間違いなく来ている。八重樫のアニキと一緒に頑張りたい。来年には世界戦をしたい」。待望の大一番まで進化を続ける。

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