井岡一翔、4階級制覇へ大みそかの“旧敵”内山高志氏からエール

スポーツ報知
シャドーボクシングで汗を流す井岡一翔(カメラ・清水 武)

◆プロボクシング世界戦 ▽WBO世界スーパーフライ級(52.1キロ以下)王座決定戦 同級1位・ドニー・ニエテス―同級3位・井岡一翔(12月31日、マカオ・ウィンパレス)

 自身2年ぶり7度目の大みそかのリングに臨む井岡一翔(29)が14日、親交のある元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志氏(39)が主宰する東京・四谷のスポーツジム「フィットネス&ボクシング KODLAB」で練習を公開した。2011~16年の大みそかにそれぞれ別会場、別局のテレビ中継で世界戦などの試合をし、内容や視聴率を競った“旧敵”内山氏からエールを送られ、日本人初の4階級制覇を誓った。

 2年ぶりに年末のリングに帰ってきた井岡が、かつて大みそか恒例の“ライバル”だった内山氏の期待に勝利で応える。世界王座11連続防衛の内山氏は「2階級、3階級制覇でも難しいが、日本人初の快挙を成し遂げてほしい」と4階級制覇へエール。井岡は昨年大みそかに引退会見をするも撤回し、9月に米国での復帰戦で世界ランカーに大差判定勝ちした。「トレーニングを積んで、ようやくここまで来た。大みそかに戻ってきたからには盛り上げて勝ちたい。新たに歴史に名を刻みたい」と意気込む。

 内山氏は今だからこそ、現役時代の本音も笑って明かす。かつての大みそかの試合場所は内山氏が東京、井岡が大阪。内山氏は出番を待つ間に、自分の試合とは別のテレビ局で中継されていた“裏番組”の井岡戦を見ていたといい「こんないい試合するんじゃないよ、と思っていた」と苦笑い。対戦する相手はもちろんだが、実は大阪で戦う井岡の試合内容も意識していたという。16年大みそかの試合を最後に引退した内山氏は試合当日、現地マカオでTBSの解説席に座る予定だ。

 井岡はこの日、9月の復帰戦からコンビを復活させたキューバ人トレーナーのイスマエル・サラス氏を相手にグラブは着けずに接近戦を想定した練習を反復。相手のニエテスもミニマム、ライトフライ、フライ級で世界3階級制覇と同じ王者ロードを歩んでおり、勝者が4階級王者になる。井岡は「簡単ではないが、1ラウンドからペースをつかんだ方が有利」と序盤から白熱した試合になりそうだ。

 TBS関係者は「目標は(平均視聴率)10%」と、ビッグマッチに臨む井岡に13年以来となる大みそか2ケタ到達を期待。今年は井岡と内山氏が合作で、お茶の間の興奮と高視聴率をたたき出す。(田村 龍一)

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