井上岳志 最強王者に“ヒット&ジョロウグモ”「バネを殺して戦いたい」

スポーツ報知
ミット打ちをする井上岳志

◇プロボクシング ▽WBO世界スーパーウエルター級(69・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者ハイメ・ムンギア―同級3位・井上岳志(26日、米ヒューストン・トヨタセンター)

 プロボクシング東洋太平洋、WBOアジアパシフィック(AP)スーパーウエルター級王者のWBO世界同級3位・井上岳志(29)=ワールドスポーツ=が18日、王者ハイメ・ムンギア(22)=メキシコ=への世界初挑戦に向けて都内の所属ジムで練習を公開した。母国・メキシコで世界ミドル級2団体統一王者サウル“カネロ”アルバレスに次ぐスター候補とされる王者の対策を進めた。世界初挑戦となる井上の戦績は13勝(7KO)1分け、3度目の防衛戦となるムンギアは31勝(26KO)。

 井上はまとわりついて距離を潰し、ショートパンチを当てるスタイル。自他ともに「ジョロウグモスタイル」と称し、毒を注入するかのごとく敵の体力を削りながら右カウンターやボディーを当て、ジワジワと追い込む形を得意とする。

 大一番まで残り10日を切り、「ムンギアが『ステップワークがよくなった。イノウエは距離を詰めてくるだろうけど、俺は距離を取る』と話している記事が雑誌に書いてあった」と情報収集した。身長173センチの自身より10センチ高く、中距離ですさまじい威力を発揮する王者のパンチに対し「超接近戦で相手を苦しめたい。超密着型で…。自分のボクシングはそういうもの。フィジカルでは勝っていると思っている。距離を詰めるパターンも4種類練習した」と手応え。約180ラウンドのスパーリングで対策を重ねた。

 勝てば所属ジムでは男子初の世界王者。「相手はバネがある。膝の動きを利用されたら勝てないので、バネを殺して戦いたい。パンチを当てても、さらにくっつく。“ヒット&ジョロウグモ”で」。打って離れる(アウェー)ではなく、さらに近づく。KO率83・9%の全勝王者を自分の土俵に引きずり込むつもりだ。

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