輪島功一会長、右拳負傷を相手にばらす“天然発言”で選手が苦戦

スポーツ報知
輪島功一会長(左)と勅使河原弘晶

◇プロボクシング▽東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦 王者・勅使河原弘晶―同級7位・入口裕貴(14日、東京・後楽園ホール)

 東洋太平洋スーパーバンタム級王者・勅使河原弘晶(28)=輪島功一スポーツ=が、初防衛に成功した。同級7位・入口裕貴(21)=エスペランサ=に8回1分56秒TKO勝ち。勅使河原の戦績は19勝(12KO)2敗2分けとなった。

 勅使河原は初回に右拳を痛めた。3回はほとんど右を使わずに、ジャブやフックなど左だけで奮闘。中盤からは我慢しながら右を織り交ぜ、8回に連打を浴びせて倒しきった。リング上のインタビューでは右拳を痛めていたことを問われ「バレてました? 神様から与えられた試練。左を試そうと思ってやった」と振り返った。

 質問したアナウンサーが、試合中の負傷を知った理由がある。勅使河原は「初回に痛めたけど、セコンドにも言いたくなかった。相手にも、もちろん知られたくない。2回が終わっても黙っていて。3回(終了時)でようやく言った」と説明した。しかし、4回以降は陣営の元WBA・WBC世界スーパーウエルター級王者・輪島功一会長(75)が「痛くても打てー!!」と絶叫。一番の味方によるまさかの“天然発言”で状況を知られてしまった。

 勅使河原は「『バレないようにしたのに言わないでー!』って感じだった。右がなくなったらこんなに弱いんだと思いましたね。引き出しの少なさを感じた」と猛省した。なんとか勝ちきった王者は一人で試合の内容の説明を一通り終えると、取材エリアに輪島会長も参加。格下と打撃戦を繰り広げたまな弟子に「ボクシングは相手がいい選手でないと、いい試合にならない。相手が弱いと倒してもあんまりだし、いい試合になれば向こうも価値が上がる。まあ、勝てば何を言ってもいいんだよ。若いから人生経験が大事だ」とねぎらいつつ、自身の“ミス”にはどこ吹く風だった。

スポーツ

×