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平成最後の世界最強タッグ開幕! ハンセン? ブロディ? そこには昭和があった…金曜8時のプロレスコラム〈100〉

2018年11月16日8時0分  スポーツ報知
  • チェーン、竹刀、テンガロンハットがそろった世界最強タッグ決定リーグ戦開会式

 このコラムも毎週金曜午前8時配信を2年続け、今回で100回目を迎えた。ページビューが落ちればやめようと思ってきたが、まだその時ではなさそうだ。ここは日本最長40年の歴史を誇る全日本プロレスの人気シリーズ「世界最強タッグ決定リーグ戦」にあやかろうと、開幕戦が行われた13日の東京・後楽園ホール大会をのぞいてきた。

 年末の風物詩とも言えるこのシリーズは、1978年から途切れずに開催されており、今年で41回目の最長不倒だ。これよりも歴史が古い、春の祭典「チャンピオンカーニバル」は1973年が第1回だが、83年から90年までは、リーグ戦が行われず「グランド」や「ワールド」が頭に付くなど、同一シリーズ名ではなかった。

 最強タッグは、77年の「世界オープンタッグ選手権」がその前身で、ドリー・ファンク・ジュニアとテリー・ファンクのザ・ファンクスとアブドーラ・ザ・ブッチャーとザ・シーク組の凶悪コンビによる公式戦最終試合での、ブッチャーのテリーへのフォーク攻撃が伝説の名場面になっている(ファンクスが反則勝ちで優勝)。この熱狂と興奮が、世界最強タッグリーグへとつながった。

 さて、41年後の開幕戦だ。まずオープニングで日本テレビのスポーツ行進曲が流れた。ジャイアント馬場、そして輪島大士が使用したあの入場テーマだ。現在の全日本プロレスは、日本テレビではなく、CS「GAORA SPORTS」が中継しているだけに、うれしい昭和の光景だった。

 そして、入場式(開会式)では、世界最強タッグのテーマ「オリンピア」が流れ、選手が入場してきた。参加チームをおさらいしておくと、前年覇者の諏訪魔、石川修司組(世界タッグ王者)、秋山準、関本大介組、宮原健斗、ヨシタツ組、ゼウス、ボディガー組、野村直矢、青柳優馬組(アジアタッグ王者)、大森隆男、征矢学組(2016年全勝優勝)、ジェイク・リー、崔領二組、ジョー・ドーリング、ディラン・ジェイムス組、TAJIRI、ギアニー・ヴァレッタ組、真霜拳號、KAI組、パロウ、オディンソン組。

 一昨年に取材した時は、外国人が不参加の世界最強タッグに、がっかりした。昨年はジョー・ドーリングと太陽ケアが戻ってきてくれたが、物足りなかった。今年はジョーのパートナーにディラン・ジェイムス(ジェームス・ライディーン)、TAJIRIがギアニー・ヴァレッタを連れてきた。そして、“未知の強豪”(昭和の響き)パロウ&オディンソンの初来日。並ぶだけで豪華だ。

 「バシッ」という音が響き、会場が静まりかえった。TAJIRIが竹刀をたたき付けながら入ってきた。ヴァレッタはチェーンを振り回している。そして、ジョーは、テンガロンハットをかぶり存在感たっぷり。最強タッグはこれでなきゃ。竹刀=上田馬之助、チェーン=ブルーザー・ブロディ、テンガロンハット=スタン・ハンセン。昭和の光景だ。この3アイテムがそろうのは、1983年大会以来35年ぶりということになる。

 「入場式はバルコニーの方がうまく撮れますよ」と福田昌弘広報からアドバイスを受けた通り、リングサイドではなく、バルコニーでカメラを構えていて正解だった。期待にこたえてくれるかのように、22選手がリングに集まると、乱闘が始まった。

 関本がKAIに、石川が宮原に、パロウが野村に、突っかかるのが一望できた。狭い中で、この日対戦する者同士が、しっかり獲物を見つけて、つかみかかるこの嗅覚。これぞプロレスラーだ。苦笑しながらリングからエスケープしていくジャイアント馬場さんの姿が見えたような気がした。(酒井 隆之)

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