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平成最後の世界最強タッグが教えてくれたこと…金曜8時のプロレスコラム

2018年12月14日8時0分  スポーツ報知
  • 2018世界最強タッグ決定リーグ戦を制したディラン・ジェイムス(左)とジョー・ドーリング

 全日本プロレスの「2018世界最強タッグ決定リーグ戦 優勝決定戦」が11日、東京・後楽園ホールで開催された。今年で41回の歴史を誇る年末恒例タッグの祭典は、メインイベントで行われた公式戦最終試合で、ジョー・ドーリング(36)=米国=、ディラン・ジェイムス(27)=ニュージーランド=組が、同点で並んでいた前年覇者で現世界タッグ王者の諏訪魔(42)、石川修司(43)組に勝利し、7勝3敗(14点)で初優勝を飾った。

 外国人チームが優勝するのは05年のババ・レイ、ディーボン組以来13年ぶり。ジョーは、武藤敬司と組んだ07年、諏訪魔と組んだ13年に続く3度目の優勝だ。

 勝負はジェイムスが18分52秒、チョークスラムからの片エビ固めで石川をピンフォール。ジョーがマイクをつかんで「アリガトウ! ハッピー・ニューイヤー!」と叫ぶと、ディランは「アリガトゴザイマシタ。メリー・クリスマス!」とフォローした。メリー・クリスマス&ハッピー・ニューイヤーは決まり文句だが、ジョーが興奮して順番が逆になってしまった。

 世界最強タッグでこのセリフは、思い出深い。1990年12月7日、日本武道館でのテリー・ゴディ、スティーブ・ウィリアムス組VSスタン・ハンセン、ダニー・スパイビー組の公式戦最終試合で、ウィリアムスが29分59秒、オクラホマスタンピートからの片エビ固めでハンセンをフォール。優勝と同時に世界タッグ王座を奪取し、ウィリアムスが「メリー・クリスマス!」と叫んだ興奮が28年後によみがえった。

 古き良き時代に強くて怖かった外国人タッグ。ここで言っておくと、11月30日付のこのコラムで「世界最強タッグ そろそろ外国人の優勝が見たい」と書いたが、その通りになった。予想的中の自慢ではないが、その時に使用したのがジョー・ドーリング&ディラン・ジェイムスの写真。まさに優勝チームの予言となったのだ。

 「そんな簡単な優勝ではなかったんですよ」と“熱血プロレスティーチャー”こと元週刊ゴング編集長の小佐野景浩氏(57)。「ジョーの体力が持つかギリギリだった」という。ジョーはシリーズ中に左胸負傷で一時欠場していた。だからこそ、本人も観衆も興奮を抑えきれず、大いに盛り上がったのだった。

 敗れた諏訪魔&石川の暴走大巨人コンビも健闘した。それは、優勝戦翌日の2018年度プロレス大賞(東京スポーツ制定)選考会で、諏訪魔&石川が最優秀タッグチームに選ばれたことで証明された。新日本プロレスの「ワールドタッグリーグ」で連覇したSANADA、EVIL組を抑えての2年連続受賞だった。

 平成最後の世界最強タッグ決定リーグ戦は、昭和の雰囲気を感じさせて閉幕した。エンディングには山下達郎の「クリスマス・イブ」が流れた。最強タッグと昭和の調べは、次の時代にも十分通用するコンテンツだと言える。(酒井 隆之)

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