【箱根駅伝】山梨学院大、過去最低の18位

スポーツ報知
18位に終わり、悔しそうな表情を浮かべる山梨学院大の選手たち

◆報知新聞社後援 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(3日、芦ノ湖―東京・読売新聞東京本社前、5区間=109.6キロ)

 2年連続の惨敗が、現実の厳しさを突きつけた。山梨学院は往路16位からの巻き返しを図ったが、復路5人全員が2ケタ順位と流れに乗れないまま11時間23分24秒でゴール。途中棄権を除き同校過去最低の18位でレースを終えた。5人中4人が箱根初挑戦のフレッシュなメンバーが懸命に走るも、戸塚中継所で無念の繰り上げスタート。悔し涙の染みこんだタスキを手に、2年連続で予選会から箱根路を目指す。

 ゴール後、東京・大手町で行われた報告会は前回と同じ重苦しい空気に包まれた。インフルエンザで主力選手を欠き総合17位に終わったレースから1年。万全の準備で挑んだはずの雪辱戦で、さらに順位を下げ同校過去最低記録となる総合18位。上田誠仁監督(58)は「頑張った、だけではダメ。まずこの結果を受け止めなければいけない」。険しい顔で、言葉を絞り出した。

 6区・比夫見(ひふみ)将吾(4年)を筆頭に10人中6人が箱根初挑戦。「思うような走りができず、苦しかった」と7区を走った出木場(いでこば)風吹(3年)が話した。箱根という特別な場が重圧となり選手を襲った。3大駅伝への出場経験も豊富で、本来なら主要区間を任せるはずだった市谷龍太郎、河村知樹(共に4年)が外れたことも影響した。

 2人は大会直前の練習で設定タイムに合わせた走りができず、指揮官はメンバーから外すことを決断。「本来なら最後の箱根。走らせたい、という思いはあった」と本音をのぞかせたが、チームとしての仕上がりを考慮し、秋以降タイムを上げてきた勢いのよい下級生に大舞台を任せた。結果にはつながらなかったが「悔しいという言葉だけでなく、厳しい現実を乗り越える気概を持ち大きな壁に向かってほしい」と期待を寄せた。

 2年連続のシード落ちで再び、予選会からの挑戦が決まった。指揮官は「自分の足での努力しか力にならない。それが長距離」と全部員を前に声を張り上げ、更なる奮起を呼びかけた。副主将の1区・永戸聖(3年)は「この悔しさにどれだけ向き合えるかが来年につながる」とキッパリ。次期主将としてチームを牽引することが濃厚な日本人エースは、悔しさを残し卒業する4年生に雪辱を誓った。指揮官や数多くのOBが守り続けた32年連続出場の伝統。その重みを糧に心身共に鍛えあげ、再びプルシアンブルーのタスキを箱根路に運ぶ。(大津 紀子)

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