【箱根駅伝】順大11位大逆転あと14秒…難病克服の花沢、猛追もシード届かず涙「詰めが甘かった」

2018年1月4日7時0分  スポーツ報知
  • 10位の中央学院大・藤田大智(左)を追う順大・花沢賢人(カメラ・中島 傑)
  • ゴール後号泣した花沢

 ◆報知新聞社後援 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(3日、芦ノ湖―東京・読売新聞東京本社前、5区間=109.6キロ)

 順大は初出場の10区・花沢賢人(4年)が10位・中央学院大との差を50秒縮める力走を見せたが、わずか14秒届かず11位で3年ぶりにシード権を逃した。2年時に、国内に百数十人しかいないという国が指定する難病で腰や関節を激痛が襲う「強直性脊椎炎」を発症。競技続行も危ぶまれたが、長門俊介駅伝監督(33)らの支えで復活。次回は予選会を戦う後輩へ魂の走りでエールを送った。

 順大の大逆転劇まで、わずか14秒届かなかった。10位・中央学院大を1分4秒差から追い、力の限りを尽くした花沢は、ゴールで迎えた栃木渡主将(4年)に約束していたタスキを渡すと涙が止まらなかった。「どうにかシード権を取ろうと最大限の走りをしたけど、詰めが甘かった」。14秒は参加20校に増えた2003年以降では3番目の僅差だった。

 悔しさと同時に「こんなに多くの声援の中、走ることができてすごく楽しかった」と感謝した。約2年前、聞き慣れない病名を医師から告げられ頭が真っ白になった。国の難病に指定される強直性脊椎炎。ベッドから起き上がるまで30分、50メートル歩くのに20分もかかった。「つらい寝たきりの状態で、競技どころではない。陸上選手としては致命的」。千葉・八千代松陰高時代は全国高校駅伝で区間3位などの実績を誇り、鳴り物入りで入学した。大学で結果が出始めた直後の発症で、周囲に当たったこともある。

 長門監督は「病気のことを徹底的に勉強した」と明かす。あえて病名を公表したのは、同じように苦しんでいる人の支えになればという思いからだ。完治は難しく痛み止めを服用するほか、患部をホットパックで温めるなど付き合い方が分かってきたが、昨夏には両足けい骨の疲労骨折に見舞われ、3か月間走れなかった。一度は箱根を諦め「ダメ元で臨んだ」昨年末の見極め走で結果を出し、メンバーに滑り込んだ。

 「単純に、走るって楽しい」。卒業後は実業団のJR東日本で競技を続行。3年ぶりに予選会から再挑戦する後輩へ「これから上がっていくだけなので期待している」と、自らの経験を踏まえ激励した。(岩原 正幸)

 ◆強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん) 脊椎(背骨)や骨盤の炎症が主体となる原因不明の疾患。花沢の場合は、仙骨と腸骨の間にある仙腸関節や腰部の痛みに襲われた。症状が進行すると脊椎の強直を引き起こし、前屈や体を反らすなどの動作が困難になる。痛む場所は移動することが多く、体を動かした方が軽くなるとされる。

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