関根花観、初マラソンで日本歴代4位の2時間23分7秒

2018年3月12日6時0分  スポーツ報知
  • 女子のMGC出場権獲得者

 ◆名古屋ウィメンズマラソン(11日、ナゴヤドーム発着=42・195キロ)

 2020年東京五輪代表選考レースへの出場権をかけたMGCシリーズの今季最終戦は関根花観(はなみ、22)=日本郵政グループ=が初マラソン歴代4位の2時間23分7秒で日本人トップの3位に入り、MGC切符を獲得した。リオ五輪1万メートル代表がマラソン界の新星に名乗り出た。日本人2位の岩出玲亜(23)=ドーム=、同3位の野上恵子(32)=十八銀行=も基準を突破し、今季は計6人がMGC出場権を得た。(晴れ、気温8・3度、湿度48%、東北東の風0・3メートル=スタート時)

 苦しい終盤もペースを落とさず、関根が歓喜のゴールに飛び込んだ。高橋昌彦監督(52)の差し出した手に握手で応えたが、目を合わせることもできないほど力を使い果たしていた。それでも、初めてのマラソンを終え「心が折れそうだったけど、練習のきつさと比べたら…」と笑顔で語った。

 序盤から先頭集団についた。日本人選手が徐々に離れ、外国勢の中に1人だけとなっても粘った。ペースメーカーの外れた25キロ過ぎに外国勢に先行され、単独走に。「耐えることだけ考えた」と、ラップタイムをほぼ落とさず前を追った。猛暑が想定される東京五輪において、安定したペースを刻めるのは武器。高橋監督も「知らないところで積み重ねたものが出たんでしょう」と練習が休みでも2~3時間走る“練習の虫”を褒めた。

 16年リオ五輪1万メートルは20位。悔しさを味わった関根は、チームメートの鈴木亜由子(26)、鍋島莉奈(24)が出場した17年ロンドン世界陸上を逃し、本来の走りを見失っていた。高橋監督は「このままでは(関根が)ダメになってしまうかもしれない」と感じたという。しかし、中学時代からの夢だったマラソンへの挑戦で見事復活。1人で練習する精神的なつらさや故障のリスクを考慮し練習の量をセーブしたが、高橋監督は「7割の仕上がりでこの走りは想像以上」とたたえた。

 東日本大震災直後の2011年4月から1年間、仙台育英高に通った。「入学式が1か月遅れたりして大変だった。そんな経験もあったから、今がある」。7年後にはじけた笑顔は多くの人の支えになるはずだ。

 東京五輪出場への挑戦権を得た22歳は「世界とはまだまだ差がある。あと1年半、いろんなレースを経験して実力をつけたい」と貪欲だ。ニューヒロインの物語はここから始まる。(太田 涼)

 ◆MGCレースへの道 東京五輪代表3枠のうち2枠を一発勝負で争うMGCレースへ出場するためには〈1〉来季のMGCシリーズで基準をクリアする〈2〉ワイルドカード基準をクリアする―の2通りある。〈1〉は国内指定競技会(女子4大会)で大会ごとに定められた順位とタイムで走ることで出場権を得る。〈2〉は世界陸連公認の競技会で日本陸連の設定タイム(2時間24分以内、もしくは上位2レースの平均が2時間28分以内)を期間内にクリアするか、今年のアジア大会(ジャカルタ)で3位以内に入る必要がある。

 ◆関根 花観(せきね・はなみ)1996年2月26日、東京・町田市生まれ。22歳。金井中2年から陸上を始め、仙台育英高に進学。2年から豊川高に在籍し、3年時は全国高校駅伝1区3位で日本一に貢献。インターハイの出場はなし。2014年、新設された日本郵政グループに第1期選手として加入。家族は両親。156センチ、45キロ。名前の由来は「女の子なので花のようにかわいらしく、観はよく見てよく考える人間に育ってほしい」という願いから。

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