大岩千未来、200度以上曲がる“爪先美人”がめざす東京五輪の表彰台

2018年5月29日12時0分  スポーツ報知
  • 得意の200度開脚を披露する大岩千未来(カメラ・清水 武)
  • リボンを操る大岩

 新体操界に金の卵が現れた。世界選手権(9月・ブルガリア)代表に初選出された大岩千未来(ちさき、16)=イオン=。2017年大会で日本勢42年ぶりのメダルを獲得した皆川夏穂(20)、次世代を担う喜田純鈴(すみれ、17)とともに3枠入りを果たした。最大の武器は屈指の柔軟性。200度以上広がる股関節と、美しいアーチを描く爪先の柔らかさを生かした“美しさ”で東京五輪の表彰台を目指す。(小林 玲花)

 4月の世界選手権代表選考会。代表を決めていた皆川と喜田は不在だったが、大岩は15年世界選手権代表で全日本14~16年優勝の河崎羽珠愛(うずめ、20)=イオン=に1・250点差をつけ60・900点で優勝。16年全日本ジュニアでは当時3連覇中だった喜田を破り優勝し、注目を集めた。同年イタリア国際トーナメントでは「特別賞」を受賞。わずか2年足らずで一気に世界選手権代表切符を手に入れるまで実力をつけてきた。

 秘密は驚異の柔軟性だ。股関節の開脚は180度を超え、200度以上。さらに自ら「ここまで曲がる選手はいないと思う」と話す爪先は、新体操界でも屈指の柔らかさだ。爪先の柔軟性は、演技を美しく見せるだけでなく、ターンの際に足先が安定し、美しい回転を生む。皆川ら代表選手を輩出してきたイオンの天野晴代コーチ(40)も、「股関節の可動域が大きいこと、そして爪先が(他の選手と比べても)非常に柔らかくてきれい。(世界のトップに入る)素質は十分ある」と高く評価する。

 テレビ見ながら 柔らかさの理由については「もともとです」と言うが、実は「家ではテレビを見ながら柔軟している」。普段の生活の中で、リラックスしている時間にふと気付けば柔軟。そもそも新体操を始めたのも5歳の頃、友人と見学し「楽しそう!」と一目ぼれに近かった。小学5年生で「フェアリージャパンPOLA」を生で見て「細くて奇麗」と思いを強くした。幼少期に習っていたピアノも6歳で辞め、ここまでの10年間、新体操一筋。導かれるかのように、競技に打ち込んできた。

 そんな大岩が、演技の華やかさで「芸術性がすごい。手の動きまで美しくて参考にしたい」と思う選手がいる。フィギュアスケート女子で16年世界ジュニア選手権優勝の本田真凜(16)だ。同世代の同じ“魅せる”競技者として憧れており、大好きなメイクのお手本も「真凜ちゃんの写真を(携帯に)保存しています」と照れ笑い。まだ、会ったことはないが、氷上の妖精から華やかさと美しさを勉強中だ。

 最大目標は、もちろん東京五輪。出場を100%とすると、現在地は「75%くらい」と分析。足りない25%は体づくりと華やかさという。身長は160センチだが、強豪のロシア選手や皆川は170センチ超。「背が高いとダイナミックに見える。(新体操界では)まだ小さいので、165センチには届きたい」。両腕を懸命に伸ばして、背伸びをするなど努力中で「昨年は1年間で3センチ伸びた」と笑う。

 まずは8月のジャカルタ・アジア大会から世界選手権に挑む。「いい演技ができるようにしたい」と初の大舞台に胸を高鳴らせる。東京五輪までは残り2年。「実力をつけてどんどん上に行けるようにしたい。そして(五輪で)メダルを目標に頑張りたい」と力を込めた。

 ◆大岩 千未来(おおいわ・ちさき)2001年11月20日、千葉県野田市生まれ。16歳。5歳から新体操を始める。中学入学と同時に強豪のイオン新体操クラブに加入。現在はあずさ第一高に在学中。16年全日本ジュニア選手権優勝。家族は両親と兄、姉。160センチ。趣味はメイク。

 ◆五輪個人最高はロスの山崎8位

 五輪では1984年ロサンゼルスから個人総合、96年アトランタから団体が正式種目となった。団体で日本代表は2000年シドニー5位。04年アテネは出場できず、08年北京10位で予選敗退。09年から団体強化のため、5大会連続金メダル国のロシアを拠点にする。そして12年ロンドン7位、16年リオ8位と2大会連続の決勝進出。個人は、ロサンゼルスで8位入賞した山崎浩子(現・強化本部長)が日本勢の最高成績。世界選手権では75年大会の種目別フープで平口美鶴が金メダルを獲得し、団体も銀。17年大会は42年ぶりに皆川が種目別フープで銅メダル。団体も銅メダルだった。

 07年に化粧品メーカーの「POLA」がスポンサーとなり、日本代表のチーム名が「フェアリージャパンPOLA」に決定。チームの歴代主将は07~09年は三沢樹知、10~12年は田中琴乃、12~13年は畠山愛理、14年~現在は杉本早裕吏。

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