楢崎兄弟は兄・智亜が逆転V…2位弟・明智「完全に負けた」

2018年6月25日6時10分  スポーツ報知

 ◆スポーツクライミング 複合ジャパンカップ(24日、盛岡市・岩手県営運動公園ほか)

 男子決勝はエースの楢崎智亜(ともあ、22)が4点で優勝。東京五輪と同じスピード、ボルダリング、リードの3種目で競う国内初の複合大会で、初代王者に輝いた。弟・明智(めいち、19)が6点で2位。兄弟そろっての2020年東京五輪代表入りを目指す。女子決勝は野口啓代(29)が6点で優勝。予選1位の地元・盛岡の伊藤ふたば(16)=いずれもTEAM au=は9ポイントで2位だった。

 兄弟でのワンツーフィニッシュに笑顔がはじけた。兄の智亜が、2位で迎えた最終種目のリードで弟・明智を逆転。「達成感、ハンパないですね。明智とこんな接戦になるとは。楽しかったけど、プレッシャーがすごかった」。明智は「完全に負けたなという感じ。(自分が届かなかった)最後の2手に相当な差があると感じた」。日本のエースと呼ばれる兄のハンパない強さに脱帽した。

 智亜が最初のスピードで、予選の記録を0秒60更新する6秒87。連日の日本記録でトップに立った。得意のボルダリングは第4課題をクリアできずに、まさかの4位に沈んだが、勝利しか見えていなかった。リードは最終競技者の明智のトライを眺めながら、「頑張って欲しいって思ったけど、超えて欲しくなかった(笑い)」。正直な思いを口にした。

 自身初の複合大会は、未知の領域だった。オフのトレーニングの成果で筋量が増え、体重は3キロ増の61キロになった。そんな鍛え上げた体が悲鳴をあげた。「ボロボロだった。めっちゃ筋肉痛」。23日の予選を終え、目覚めたこの日の朝、背中と足のだるさに驚いた。必死のケアで回復。他の選手が力尽きていくなか、最終種目まで強さを見せた。

 毎日のように連絡をとりあう仲良し兄弟だ。「明智はコンバインド(複合)があっているので、いい順位に入ってくると思ったけど、まさかこんなにとは。楽しかった」。17年の世界ユース選手権複合覇者の弟は、「いつもトモくんに負けてきたので、最後の最後に欲が出た。今までは食らいつけたらいいかなくらいだったけど、最後は勝ってやる!って思った」。湧いて出た負けん気を、これからの糧にする。そろっての東京五輪出場へ、楢崎兄弟が壁を越えていく。(高木 恵)

 国内に練習場が少ないスピードは、日本の弱点と言われている。前週は東京・昭島市で、25日は大会会場に残り、スピード強化合宿を行うなど力を入れている。日本代表ヘッドコーチの安井博志氏は、「他国はまだコンバインド(複合)を大会形式ではやっていないはず。緩めずにこのまま行きたい」と、東京五輪2年前の時点で実戦経験できたことを評価した。最初の種目となるスピードで上位に立つことは精神的にも優位。2年後へ強化を進めていく。

 ◆東京五輪のスポーツクライミング 今大会同様スピード、ボルダリング、リードの順で3種目行い、3種目の順位をかけ算し、値が小さい選手が上位となる。男女各20人で予選を争い、上位6人が決勝に進む。国・地域別の出場枠は最大2。日本の代表選考方法は決まっていない。

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