内村航平、まさか鉄棒で落下…初めて手滑った 想定外の予選敗退

スポーツ報知

◆体操 世界選手権代表選考会 全日本種目別選手権第1日(30日・高崎アリーナ)

 予選が行われ、16年リオ五輪個人&団体総合2冠の内村航平(29)=リンガーハット=が2連覇を狙った鉄棒で落下し、13・400点の18位でまさかの予選敗退となった。決勝で挑む予定だった自己最高H難度の大技「ブレトシュナイダー」は披露できず。すでに代表に決定している世界選手権(10~11月、カタール・ドーハ)で、ぶっつけ本番となる予定。1日の決勝では、内村と白井健三(21)=日体大=の代表2人に加え、新たに3人が決まる。

 着地へと向かう車輪で、内村の手が鉄棒のバーからするりと離れた。まさかの落下に会場がざわつく。演技を再開して着地を決めたが、腰に手を当てうつむいた。「(滑って落下は)記憶にある限りではない。(何が起きたか)僕も分からない」。リオ五輪の個人総合決勝で逆転優勝を決めた鉄棒での失態。「悔しいってより、どこに気持ちをぶつけていいのか分からない」と肩を落とした。

 5月のNHK杯を制し世界選手権代表を決めてから、競技に対するモチベーションが上がらなかった。今大会は鉄棒だけ出場。20年東京五輪を見据えて磨きをかけてきたH難度の大技「ブレトシュナイダー」を披露することを発奮材料に練習してきたが、「普通に練習不足。技はやりたかったけど、そこまで試したい欲がなかった。(今大会は)そんなに甘い場所じゃない」と痛感した。

 次の挑戦は「世界選手権の種目別(決勝)に残ったら」と話す。失敗も前向きに捉えることが内村の強さだ。「予選落ちした方が良かった。今季はここではなく、メインは世界選手権。そこに向けて練習していきたい」と力を込めた。(小林 玲花)

 ◆ブレトシュナイダー バーを越えながら後方抱え込み2回宙返り懸垂(コバチ)を、2回ひねりながら行う。14年にドイツのアンドレアス・ブレトシュナイダーが披露し、15年2月にH難度に認定された。

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