レスリング・登坂絵莉、川井梨紗子らが練習拠点を山梨学大に変更検討…パワハラ余波で

スポーツ報知
登坂絵莉

 2016年リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したレスリング女子48キロ級の登坂絵莉(24)=東新住建=、同63キロ級の川井梨紗子(23)=ジャパンビバレッジ=らが、パワーハラスメント問題の影響で練習拠点の変更を検討していることが6日、分かった。母校の至学館大を練習拠点にしているが、伊調へのパワハラで栄和人氏(58)が監督を解任され、指導者不在となっているため。日本協会の高田裕司専務理事(64)が監督を務める山梨学院大が候補で、7月下旬には出稽古も行った。

 20年東京五輪での連覇を目指す登坂、川井らが練習拠点に悩まされている。至学館大を拠点に栄氏の指導を受けてきたが、伊調へのパワハラで解任され、指導者不在に。強化の遅れを懸念した日本協会の高田専務理事が自身が監督を務める山梨学院大での出稽古を勧め、7月下旬に登坂、川井らが男子を相手にしたスパーリングなどを行った。

 栄氏を解任した至学館大の谷岡郁子学長は、五輪3連覇の吉田沙保里(35)=至学館大=を候補とした新監督を7月中に決めるとしていたが、現状は暗中模索の様子。処遇が未定となっている栄氏は解任された後、出身の鹿児島・奄美市に帰省中。関係者には「自分の情けなさに毎日、涙が止まりません。かなうならば、どうにか復活したい」と求めているが、現時点での復帰の可能性は見当たらない。

 高田専務理事は「登坂や川井、いまは肩をけがしている(16年リオ五輪69キロ級金の)土性(沙羅)たちは“拠点難民”。コーチングできる人がだれもいない」と事情を説明。登坂らの山梨学院大への拠点変更の可能性については「一度は出稽古に来てもらったが、至学館大で指導者不在がこのまま続けば、うちで支援するしかなくなる」とした。

 日本オリンピック委員会(JOC)が目標設定した20年東京五輪の金メダル獲得数は史上最多の30個。そのうちレスリング女子のノルマは最低3個。高田専務理事は「それにはまず足場をしっかり固めないと」と頭を抱えていた。

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