水球女子に3つの課題…V候補中国の壁「泳ぐスピード」「速いパス」「パワー」

スポーツ報知
中国に敗れ、肩を落とす日本代表選手たち(カメラ・相川 和寛)

◆アジア大会2018 ▽水球・女子リーグ戦 中国12-8日本(17日・ジャカルタ)

 水球女子の日本代表は17日、優勝候補筆頭の中国に8―12で敗れ、通算成績は1勝1敗となった。リーグ戦は残り4試合あるが、直接対決に敗れたことで早くも念願の金メダルは厳しい状況。“アジアの壁”にはね返され、今後世界で戦うための課題が浮き彫りになった。

 見せ場はつくった。しかし、後半に7点を奪う猛追も、中国の壁にはね返された。完敗に選手たちは涙に暮れ、報道陣には対応せずに引き揚げた。本宮万記弘監督(49)は「よく善戦したとは思うが、実力通り。正直甘くない」と、敗戦を受け止めた。

 日本のメンバー13人の平均165センチ、59キロに対し、中国は178センチ、74キロ。体格差を埋めるため、ボールも人も動き、相手の嫌がるプレーに磨きをかけてきた。大会直前の合宿でも大柄な豪州代表を“仮想中国”としたが実らず。「得意のカウンターでも前半は泳ぎ負けた」と、指揮官は悔やんだ。

 7月にあった合宿打ち切り騒動を乗り越え、アジア大会で出直しとなった日本。東京五輪では開催国枠があるが、まだ出場は確定しておらず、今後実績を積む必要がある。中国ですらリオ五輪では8か国中7位。この試合で〈1〉小さくても力負けしないパワー〈2〉相手の守備網にかからない速いパス回し〈3〉泳ぎそのもののスピード―という、世界で戦うための3つの課題が明確になった。

 6チーム中上位2か国が来年の世界選手権に出場できるが、中国が残り3戦で取りこぼす確率は低い。金メダルは厳しい状況となったものの、本宮監督は「残り全勝して何とか食らいつきたい」と、あきらめない姿勢を強調した。(太田 倫)

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