池江璃花子、北島&萩野に続く東京金ロード…アジア大会が開幕 

スポーツ報知
練習後に松田丈志さん(左)と岩崎恭子さん(中)の取材を受ける池江

◆アジア大会2018(18日・ジャカルタ)

 45か国・地域が参加して開会式が行われ、9月2日までの熱戦が本格的に始まった。競泳の池江璃花子(18)=ルネサンス=は蚊の襲撃に四苦八苦しつつも、最大8種目に出場する今大会でMVPをゲットし、20年東京五輪に続く金メダルロードへの足がかりにする。サッカー男子のU―21日本代表は19日に1次リーグ首位通過をかけてU―23ベトナムと対戦。かつて同国でA代表と五輪代表の兼任監督を務めた三浦俊也氏(55、現ホーチミン・シティ監督)が警戒を促した。桃田賢斗(23)=NTT東日本=らバドミントン代表も19日の団体戦へ調整した。

 “アジア女王”の称号を手にするための、池江の戦いが始まる。今大会では19日の400メートルリレーを始め個人、リレーともに4種目ずつ最大8種目に出場予定。「明日からレースが始まれば、あっという間。集中してやりたい」と気持ちを高めた。

 今月のパンパシフィック選手権では100メートルバタフライで主要国際大会初となる金メダルを獲得するなど、勢いに乗って当地に入ったが、選手村に思わぬ敵がいた。「蚊が多くて。刺されるのが怖くて殺虫剤をまいているけど、体に悪いんじゃないかと思ったり。シャワーがチョロチョロっとしか出なくて、温かいのも出なくて、すごく寒い…」。選手村はおおむね選手には好評だが、池江は「自分的にはいいとは言えない」と厳しい評価。日本からの移動で喉も痛め「少し風邪気味でだるさもあったけど、体力は戻ってきた」と明かした。

 蚊、冷水シャワー、風邪という“三重苦”を克服した先には、東京五輪金メダルへの道がひらける。今大会の目標に掲げる「全種目V&MVPゲット」。98年バンコク大会から制定されたMVPは、競泳陣では02年の釜山大会で北島康介、14年の仁川大会では萩野公介が獲得した。北島が2年後のアテネ五輪で平泳ぎ2冠を達成すれば、萩野もリオ五輪で金メダル。「自分も続けるように結果を出して、来年、再来年につなげたい」と“金メダルロード”を意識する。

 現地の蚊は日本の殺虫剤がなかなか効かず、生命力も強いという。だが最強JKスイマーはそれ以上にタフだ。「変な緊張もなくて、割とリラックスできている」。21日の100メートルバタフライでは、夢の55秒台突入を見据える。蚊の襲撃をものともせず、MVPへの道をばく進する。(太田 倫)

 ◆パンパシの池江 今月9~12日の4日間で8種目12レースを泳ぎ切った。初日の200メートル自由形で1分54秒85の日本新で銀メダルを獲得すると、3日目の100メートルバタフライ決勝では今季世界最高の56秒08(日本新)で金。リレーを含め金1、銀2、銅1と4つのメダルに輝き、リレーでも3つの日本記録更新に貢献した。

 ◆アジア大会のMVP

 98年大会から前回の仁川大会まではサムスン電子がスポンサーとなり制定。日本選手は3人が受賞。

 ▽98年バンコク大会・伊東浩司(陸上、当時富士通) 陸上男子100メートルで10秒00のアジア新をマークするなど200メートル、400メートルリレーで3つの金メダルを獲得。00年シドニー五輪100メートルは準決勝敗退。

 ▽02年釜山大会・北島康介(競泳、当時日体大) 200メートル平泳ぎでは当時世界新記録の2分9秒97をマークするなど3冠。04年アテネ五輪では100、200メートルの平泳ぎ2冠。

 ▽14年仁川大会・萩野公介(競泳、当時東洋大) 200メートル自由形、200、400メートル個人メドレーを制するなど、リレーを含め4つの金メダル。16年リオ五輪では400メートル個人メドレーで金メダル。

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