塚原夫妻、「録音ある」と反論 テレビにも生出演で“再反論”

スポーツ報知
塚原光男・千恵子夫妻から報道各社に送られたパワハラ問題に関する反論のFAX

 体操女子で16年リオ五輪女子代表の宮川紗江(18)からパワハラを告発された日本協会の塚原千恵子強化本部長(71)と夫の塚原光男副会長(70)が31日、代理人を通じて見解を発表。「五輪に出られなくなるわよ」という発言など、パワハラを指摘された言動を完全否定した。宮川はフジテレビの情報番組「直撃LIVE グッディ!」に生出演して反論。両者の主張は明確に食い違った。

 塚原夫妻は5枚の用紙にわたって、宮川が告発したパワハラに丁寧な言葉遣いで反論した。声明文の冒頭では「多くの方々にご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫(わ)び申し上げます」と謝罪し、宮川に対しても「まだ18歳という宮川紗江選手にこのような会見をさせてしまったこと、私たちの言動で心を深く傷つけてしまったことを本当に申し訳なく思っております」とつづった。だが、その後は宮川の告発内容に対し否定的な言葉を並べた。

 宮川が20年東京五輪強化プロジェクトの参加を辞退した後、16年12月に千恵子強化本部長から「東京五輪に出られなくなるわよ」と圧力をかけられたことは、直近の成績や足首のけがもあり「現状のままだと五輪に出られなくなるわよ」という趣旨で発言したと主張。同氏が監督を務める朝日生命に引き抜こうとしたことは「一切ない」。「速見コーチより私は100倍よく教えられる」と言ったことも完全否定した。

 これを受けて、フジテレビの「直撃LIVE グッディ!」に生出演した宮川は「お詫びの気持ちを受け止めました」としたが「(光男副会長が)『全部ウソ』とか言っていたのに、謝っていることが怖い」と吐露。「五輪に出られなくなるわよ」発言には「(別の日に)言われたことが一緒になっている。この流れで言われたわけではない」と反論した。「(速見コーチより)100倍教えられる」と言われたことは「鮮明に覚えている」と、ノートに残したメモを公開。互いの主張は真っ向から対立した。

 千恵子氏は「高圧的だった」と宮川が感じた翌日にあたる7月16日の会話を録音したテープを複数のテレビ番組で公開。「高圧的な態度ではないと分かると思う」と、日本協会が設置予定の第三者委員会にも提出される予定だが、宮川は「何のために録音したのか疑問。対立する気があるのかなと思い、怖いと思った」と話した。塚原夫妻は進退について、調査結果を踏まえて関係者と協議することを検討すると明言。今後、会見を開く可能性も示したが、両者の溝は深いままだ。

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