鈴木大地長官、体操パワハラ問題で「危機感」…スポーツ界不祥事続き指導強化検討

スポーツ報知
険しい表情で取材に応じるスポーツ庁の鈴木大地長官

 体操の暴力指導、パワハラ告発問題などスポーツ界で不祥事が相次ぐ事態を受け、スポーツ庁の鈴木大地長官(51)が1日、競技団体への指導、監督の強化を検討する考えを示した。羽田空港で取材に応じ「公金を強化に使っているし、今のままで一体持つのかという危機感もある。しっかり指導ができるような体制も考えていかなくてはいけない」と語気を強めた。

 鈴木長官は競技団体の自治や独立を尊重したい考えを持つ。ただ、20年東京五輪を控え、スポーツ・インテグリティ(誠実性・健全性・高潔性)の確保に取り組む中で「ある程度信頼してきたが、いろんな形で事案が生じ続けている」。スポーツ庁の競技団体に対する限定的な指導範囲を見直す可能性も示唆。年内に庁内のプロジェクトチームで方向性をまとめるが「なるべく早めに」と語った。

 今回は宮川紗江が日本協会の塚原千恵子・女子強化本部長らからパワハラを受けたと主張し、協会が第三者委員会を設置して調査することになった。「コーチが(宮川)選手に暴力行為を行ったことから始まっている。これは断じてありえない」と暴力の根絶を訴えた上で「弱い立場の選手が声を出していくという空気は大事」とも受け止めた。

 スポーツ指導における暴力行為については、日本スポーツ振興センターにメールでの相談窓口を設けているが、数年間ほとんど利用がないという。「各競技団体には今一度、暴力やハラスメントがないかと調査をしていただきたいし、選手や現場から不都合な点があればどんどん意見を上げていける仕組みを考えていく」と、SNSでも連絡できるシステムの構築なども検討していることを明かした。

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