アジア大会「金」井上大仁、箱根目指す山梨学院大後輩に“金言”「勝ってこそ意義とか意味を見いだせる」

スポーツ報知
金メダルを披露する井上

 8月にジャカルタで行われたアジア大会・男子マラソンで日本勢32年ぶりとなる金メダルを獲得した、山梨学院大前主将の井上大仁(25)=MHPS=が、33年連続33回目の箱根駅伝出場を目指す後輩に“金言”を送った。

 山梨学院大は10月13日、第95回箱根駅伝予選会(東京・立川)に臨む。前回大会では途中棄権を除き過去最低の総合18位。後輩たちへの助言を求められると「自分たちは何をしに来たのか。どんな相手でも、勝ってこそ大学で陸上をやっている意義とか意味を見いだせる。そこだけはブレないようにやってほしい」と言い切った。

 アジア大会では高温多湿の悪条件の中、2時間18分22秒で優勝した。井上は帰国後、陸上部が夏合宿を行う車山高原を訪れ、後輩を激励。夏合宿について「必死で追いこんでいた記憶があります。それがあって今があるので」と思い出が詰まった宿舎を見回した。

 箱根駅伝は4年連続出場。4年時には3区を走り、20位で受けたタスキを区間3位の力走で押し上げ、総合9位のシード権獲得に貢献した。「チームのために勝つことを考えていた。そういう時は自分に限界を作っていてはいけない。そうやって戦っていくと、どんどん強くなっていく」と自身の経験を語った。

 卒業後はMHPSで社会人ランナーとして競技を続ける。「戦う相手や種目が少し変わっただけで、考え方は同じ」と高い目標を掲げ、突き進んできた。プルシアンブルーのタスキを再び正月の箱根路に運ぶため、井上が見せた熱い走りを、今度は後輩たちが立川で再現する。(西村 國継)

 ◆井上 大仁(いのうえ・ひろと)1993年1月6日、長崎・諫早市生まれ。25歳。鎮西学院高(長崎)から山梨学院大に進学、4年時には主将を務めた。箱根駅伝には4年連続出場。大学3年時の2014年3月には世界ハーフマラソンに日本代表として初選出された。15年4月、三菱日立パワーシステムズ(MHPS、長崎)入社。17年ロンドン世界陸上マラソン代表。18年アジア大会男子マラソン金メダリスト。165センチ、51キロ。

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