【箱根予選会】山梨学院大、平成皆勤!「10位」重圧から解放され涙

スポーツ報知
山梨学院大は上田監督(前列左から4人目)を中心に笑顔でガッツポーズ

◆報知新聞社後援 第95回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=来年1月2、3日)予選会(13日、東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地スタート、国営昭和記念公園ゴール=21・0975キロ)

 山梨学院大が、初出場の1987年以来33年続く箱根切符を死守した。ハーフマラソン(21・0975キロ)を各校12人が走り、上位10人の合計タイム上位11校が本戦(2019年1月2、3日)出場権を獲得。山梨学院大は10時間46秒27秒で総合10位に入り、厳しい戦いに競り勝った。ドミニク・ニャイロ(4年)が全体4位の1時間1分50秒。主将の永戸聖(4年)が1時間3分38秒で同41位の走りでチームを引っ張った。33年連続は本戦出場23チーム中4番目に長い記録。平成全ての大会で、プルシアンブルーのタスキをつなぐため、再び箱根道に挑む。

 「10位。山梨学院大学」

 1位から読み上げられた総合順位。待ちわびた校名が読み上げられると、仲間と共に並んだ永戸の目から涙がこぼれた。「ギリギリとは聞いていた。自分の走りで落ちていたら情けないなと思って」。チーム10位の走者がゴールした順位は参加校の中で12番目だっただけに、喜びと同時に重圧から開放され、ほっとした表情を見せた。

 連続出場を33に伸ばした。「小渕さん(官房長官=当時)が『平成』と発表したのが3回目の出場の時。平成を駆け抜けたと思えば、感慨深いものがある」と上田誠仁監督(59)。山梨学院より長く連続出場を続けるのは日体大(71年連続71度目)、駒大(53年連続53度目)、早大(43年連続88度目)のみ。「平成の箱根駅伝」に山梨学院がその名を刻むことになった。

 「厳しい戦いになる」と言い続けていた指揮官の、想定通りの結果となった。ニャイロと永戸はそれぞれ夏に故障を抱え、復調途中でのレース。それでも今季から本格的に長距離を走る清水鐘平(4年)がチーム3位の79位に入り、片山優人、出木場(いでこば)風吹(共に4年)、川口竜也(3年)らが集団走でペースを刻んで1時間4分台でフィニッシュし、Wエースに続いた。上位10人が5分台でまとめた結果、12位の麗沢大に2分14秒差をつけた。

 今年1月の本戦は過去ワーストの18位。「やっぱりシード権が欲しい」。永戸主将は10位を目標に掲げた。前回10区14位と苦戦した片山は「繰り上げスタートとなり、タスキを受け取れなかった。今回は駅伝の楽しさでもある“つなぐ”ということをしっかりやってシード権を獲得したい。そして後輩たちにタスキを引き継ぎたい」と思いを込めて話した。先輩たちが昭和から守り、つないできたプルシアンブルーのタスキを、平成から、次世代の後輩たちへ運ぶため、再び力を合わせ33度目の箱根路に臨む。(西村 國継)

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