【森末慎二の目】金0日本男子は次世代強化、女子はスペシャリスト育成を…体操世界選手権総括

スポーツ報知
森末慎二氏

◆体操 世界選手権 最終日(3日、カタール・ドーハ)

 内村のEスコア(出来栄え点)は、思ったより点が低く出た印象だった。ほとんど大きなミスはなく、強いて言うなら腰の反りがあったのと、離れ技の後に少し体に近い位置でバーをつかんでいたかな、というくらいだった。強いから厳しく見られるのも仕方ないこと。今大会を通じて、FIG(国際体操連盟)の「美しい体操をしないと認めないよ」という方針が貫徹され、採点も厳しく行われた。

 11年ぶりに金メダルなしに終わった男子は、現状では2年後も内村に頼ることになるだろう。ただ、内村も2年後に万全かは分からない。今の選手層のままで大幅な上積みは難しい。今年のユース五輪5冠の北園丈琉(16)ら、高校生世代の台頭を期待したい。19年世界選手権の代表に若手枠を設けたり、現代表メンバーとの合宿で鍛えるなど次世代強化を進めないと20年の金メダルは難しくなる。

 女子は村上茉愛が活躍し、宮川紗江も復帰すれば床と跳馬が得点源として確立するだろう。残り2種目、特に段違い平行棒が課題。現状は強くもなく、弱くもない選手ばかり。残り2年、スペシャリストの育成が急務になる。(84年ロス五輪鉄棒金メダリスト)

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