伊藤ふたば、逆転初V「久しぶりに勝てて良かった!」…日本勢アベック制覇

スポーツ報知
ボルダリングの女子で優勝した伊藤ふたば(右)と男子で優勝した楢崎明智

◆スポーツクライミング アジア選手権 第3日(9日、鳥取・倉吉体育文化会館)

 ボルダリング男女の決勝戦が行われ、日本勢がアベック優勝。女子は伊藤ふたば(16)が3完登で、世界選手権銀メダルの野口啓代(29)やW杯年間女王の野中生萌(みほう、21)を抑えて初制覇。男子は楢崎明智(めいち、19)=いずれもTEAM au=が全4完登で優勝。ともに20年東京五輪の出場枠がかかる来年8月の世界選手権(八王子)切符を手中に収めた。

 伊藤が予選4位、準決勝6位からの逆転Vだ。第1課題を1回目のトライで成功する「一撃」で突破すると「一撃を決めた後から思ったよりスムーズに登れた」。高さ4メートル、最大傾斜160度の壁に設置されたホールドをグイグイと登った。最終課題は成功できず「もう!」と両太ももをたたいて悔しがったが「久しぶりに勝てて良かった!」と、切れ長の瞳を輝かせて喜んだ。

 姉貴分の野口や野中から「対応能力が高くて強い選手」と評価される16歳だが、9月の世界選手権は右足のけがで欠場。「悔しい思いをした分、この大会で優勝したいんだという気持ちが強かった」

 東京五輪で実施される複合はボルダリング、スピード、リードの3種目で競われる。8日のリードでは決勝に進めず「かなりへこんだ」が、この日午前中のスピードでは予選ギリギリの16位で通過する粘り強さを見せた。世界選手権切符もゲット。「今日の優勝で差は縮まったとは思わないけど、来年のW杯や世界選手権で差を縮めたい」と下克上を宣言した。(小河原 俊哉)

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