宮川紗江、塚原夫妻のパワハラ認められず「信じられない」再調査依頼も

スポーツ報知
宮川紗江

 体操女子で、16年リオ五輪代表の宮川紗江(19)=高須クリニック=が、日本体操協会の塚原千恵子女子強化本部長(71)と夫の光男副会長(70)からパワハラを受けたと主張した問題で、日本協会は10日、臨時理事会後、都内で会見した。第三者委員会の調査結果を報告し、パワハラ行為はなく、塚原夫妻が運営する朝日生命への引き抜き行為も一切、認められなかったとした。塚原夫妻に科していた一時職務停止の解除も発表された。

 宮川の代理人を務める山口政貴弁護士は10日、取材に応じた。第三者委員会の結果報告を受け、宮川本人と電話で話し、「(宮川は)『信じられない。何でこんな結論が出たんだろう』と話していました」と明かした。宮川が会見を開く予定はないが、近日中に書面で改めてコメントすることは考えているという。

 今後の対応に関し、山口氏は「少なくとも何もしないことはない。協会が委員会を置いて、調査を続けると言っているので(パワハラ疑惑について協会に)再調査を依頼するかもしれない」と説明した。

 宮川は自身のツイッターを更新し「複雑な心境もありますが、これからも頑張っていけそうです」と記した。12月からは速見コーチが選手時代に所属していた徳洲会体操クラブ(神奈川県)で練習しているという。

 ◆体操のパワハラ問題の経過

 ▼8月15日 日本協会が宮川に暴力を振るったとして速見コーチに対し、無期限登録抹消などの処分を発表。

 ▼同29日 宮川が会見し、速見コーチからの暴力はパワハラと感じていないと説明。塚原夫妻からパワハラを受けたと主張。

 ▼同30日 協会が第三者委員会設置を決定。

 ▼同31日 速見コーチが指導者としての地位保全を求める仮処分の申し立てを取り下げ、処分を受け入れる考えを表明。一方で、塚原夫妻が代理人を通じて宮川の主張の一部を否定。不適切な言動や落ち度が一部であったことは認める。

 ▼9月2日 塚原夫妻が代理人を通じて宮川に謝罪する声明文を発表。

 ▼同5日 速見コーチが都内で会見。宮川への暴力行為を謝罪。

 ▼同7日 第三者委員会が発足する。

 ▼同10日 協会は第三者委の調査結果を受け、理事会の判断が出るまで塚原夫妻の一時職務停止を決定。

 ▼12月10日 第三者委はパワハラ行為を認定せず、協会の臨時理事会で塚原夫妻の一時職務停止を解除。

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