「関東インカレ成績枠」で箱根出場の日大 “逆風”に負けずシード狙う

スポーツ報知
加藤拓海主将(右端)、パトリック・ワンブィ(右から2人目)が引っ張る日大男子駅伝チーム

 第95回箱根駅伝(来年1月2、3日)に「関東インカレ成績枠」で出場する日大が12日、東京・世田谷区桜上水のキャンパス内陸上競技場で練習を公開した。短距離やフィールド競技を含め、各種目の1位8点、2位7点…8位1点として得点を争う関東学生対校陸上競技選手権男子1部で14~18年の5大会の総合得点が最も多い大学に第95回記念大会の出場権が与えられる「関東インカレ枠」を獲得。前回の予選会では次点の11位で本戦出場を逃しており、2年ぶり88回目の箱根路にかける思いは強い。武者由幸監督(35)は「シード権(10位以内)は確実に取りたい」と7位となった14年以来、5年ぶりのシード権獲得へ意欲を見せた。

 日大にとって、2018年は逆風が吹き荒れた1年だった。

 5月、日大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題が発生。テレビのワイドショーなどでクローズアップされていた5月下旬に「関東インカレ成績枠」で箱根駅伝に出場することが正式決定した。「関東インカレ成績枠」は4年前に決められた制度だったが、10月の予選会が免除されことで一部では心ないバッシングが起きた。「気にせず、自分たちがやるべきことをやった。みんなには『いつも通りやろう』と声をかけた」と主将の加藤拓海(4年)は振り返る。

 6月の全日本大学駅伝関東選考会を突破し、11月の本戦では11位。前回の箱根駅伝シード校の日体大や早大、予選会を2位通過した順大を上回り、箱根駅伝に出場する力があることを示した。

 2年ぶりの箱根路では序盤、台風の目となる可能性を持っている。ケニア人留学生のパトリック・ワンブィ(4年)は2区で山梨学院大のメクボ・モグスが10年前に打ち立てた区間記録(1時間6分4秒)の更新を視野に入れている。「2区で区間新が目標。パソコンで、ユーチューブを開いてモグスさんの走りを見て勉強している。毎日見ていくつもり。上り坂がきつい残り3キロを頑張ります」と引き締まった表情で話した。

 「関東インカレ成績枠でもあり、ある意味、注目されている。結果を残さないといけない」と武者監督は言い切った。“逆風”にさらされたことで日大駅伝チームは強くなったことを証明するつもりだ。

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