スケボー金1号だ!19歳の堀米雄斗、世界最高峰で史上2人目の3戦全勝

スポーツ報知

◆スケートボード ストリートリーグ第3戦(16日、米カリフォルニア州ハンティントンビーチ)

 20年東京五輪で追加種目となるスケートボード男子のプロ世界最高峰ツアーの今季最終戦が行われ、日本勢でただ1人参加した19歳の堀米(ほりごめ)雄斗(XFLAG)が優勝した。40点満点の35・80点で優勝して3戦全勝とした。全勝は14年にナイジャ・ヒューストン(米国)が達成して以来、史上2人目の快挙。東京・江東区出身の堀米は今季台頭。5月のストリートリーグ第1戦で日本勢初優勝を遂げてから快進撃を続け、東京での有力な金メダル候補に躍り出た。

 本場・米国で日本の若武者が快挙を成し遂げた。堀米は、ポーカーフェースで高得点を淡々と重ね、最終滑走を待たずに3連覇を決めた。出場選手で唯一の10代。「信じられない。すごくうれしい」と現地の優勝インタビューではにかんだ。

 階段や縁石など街中を模したコースで技を連発する「ラン」2回、一発技を競う「ベストトリック」5回の計7回から得点の高い4回の合計点を争う。「ベストトリック」では10点満点の9点台を2度もマーク。「人とあまり技がかぶらない。オリジナル性でいけた」。試技を解説する場内アナウンスも「常軌を逸している」「なんて簡単そうにやってのけるんだ」とあぜんとした。

 父・亮太さんの影響で6歳から滑り始め、競技の五輪採用が決まった直後に日本代表の強化指定を受けた逸材。1年ほど前からロサンゼルス近郊を拠点としている。「世界中の人が集まる。いろんなつながりが増えてここまで来られている」。日本代表の西川隆監督(52)は「頭を使って、いかに人と違うことをやって勝つかを考えている。競技に対して真面目でストイック。出る出ないではなく、メダルを狙える選手。このまま“常勝”でいってもらいたい」と最大限の賛辞を贈った。

 来年1月にブラジル・リオデジャネイロで行われる新設の世界選手権に決勝から臨めるシードを勝ち取った。20年の「ストリート」競技では当然金メダル候補。スノーボードとスケボーの二刀流を表明した平野歩夢(19)=木下グループ=と同世代となる新星は「せっかく東京であるので、もし出られたら頑張りたい」と大舞台に思いをはせた。

 ◆堀米 雄斗(ほりごめ・ゆうと)1999年1月7日、東京・江東区生まれ。19歳。父の影響で6歳からスケートボードを始める。16年にアマチュアの登竜門タンパ・アマで4位になる。17年から最高峰のストリートリーグに参戦しバルセロナ大会3位、ミュンヘン大会2位。18年デュー・ツアー優勝、Xゲーム4位入賞。170センチ、45キロ。基本は右足を前にするグーフィースタンス。

 ◇東京五輪のスケートボード競技 街の階段や手すり、縁石やベンチなどを模したコースでトリック(技)の難易度や完成度を競う「ストリート」、複雑な形をしたくぼ地状のコースで、空中に飛び出した時に繰り出すトリックを中心に競う「パーク」の2種目を実施。出場数は各20人で、国・地域別の最大枠は3。出場権は19年世界選手権上位者や、指定大会での獲得ポイントによるランキングで決まる。また、日本は男女各種目1人の開催国枠を得ている。堀米のライバルはXゲーム6連覇のナイジャ・ヒューストン(米国)、ルアン・オリベイラ(ブラジル)らになりそうだ。

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