「黄金世代」が3年目を迎えた東海大 悲願の箱根駅伝初優勝目指す

スポーツ報知
練習を公開した東海大メンバー

 第95回箱根駅伝(来年1月2、3日)に6年連続46回目の出場となる東海大が19日、神奈川・平塚市の湘南キャンパスで壮行会と練習公開を行った。今季の学生3大駅伝では開幕戦の出雲駅伝(10月8日)が3位、第2戦の全日本大学駅伝(11月4日)が2位。「悲願の初優勝に向けて、全力で駆け抜けます」と両角速監督(52)は言い切った。

 15年12月の全国高校駅伝「花の1区」(10キロ)で区間賞を獲得した関颯人(3年)を筆頭に上位6人中5人が翌春、東海大に入学。同20位の郡司陽大(3年)、6区位の中島怜利(3年)らを含め、同世代のトップランナーの多くが一つのチームに集結した。「黄金世代」と呼ばれる彼らも上級生となり、確固たる結果が求められている。「黄金世代」がその呼び名の通り輝けるか。それが東海大の行方を左右する。

 スピードを持ち味とするチームはこの夏、新たな取り組みにチャレンジ。両角監督は初めて「今回は箱根で優勝を狙う」と宣言して夏合宿がスタート。例年のスピード練習よりも泥臭く走り込んだ。前回優勝した6区間45・1キロの出雲では3位と物足りない結果と内容だったが、8区間106・8キロと距離が伸びた全日本では2位と光明を見いだした。

 今季、最も成長した選手は館沢亨次(3年)。6月、日本選手権1500メートルで連覇を果たし、アジア大会に日本代表として出場した(9位)。出雲では2区(5・8キロ)で青学大の鈴木塁人(3年)に競り負け、2位だったが、全日本では3区(11・9キロ)で鈴木にリベンジを果たし、区間賞を獲得。1500メートルを得意とするスピードランナーは距離が伸びた伊勢路で結果を残し「箱根に向けて自信になった」と胸を張る。「長い距離を走り込むことで1500メートル終盤の余裕度が増す。それでラストスパートの切れ味が良くなる」と前向きに駅伝に取り組んでいる。

 箱根駅伝特有の山区間は戦力が整いつつある。上りの5区候補の西田壮志(2年)は地力が増し、区間上位の力が見込める。6区は中島が3年連続で山を下る準備ができている。

 「目標は世界。駅伝は日本独特のもので、強くなるための手段。駅伝を終着点にしてしまうと、井の中の蛙で終わってしまう」と両角監督は言う。その一方で「世界」という高い目標を“逃げ道”とせず「箱根優勝」を選手に訴える。井の中(駅伝)で勝たなければ大海(世界)で勝負できるはずがないという真理を追求していくつもりだ。

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