今季大苦戦の早大 最後の箱根で巻き返し3位を狙う

スポーツ報知
練習を公開した早大の選手たち

 第95回箱根駅伝(来年1月2、3日)に43年連続88回目の出場となる早大が23日、埼玉・所沢市のキャンパスで練習を公開した。今季の学生3大駅伝開幕の出雲駅伝(10月8日)は関東勢10校中9番目の10位、第2戦の全日本大学駅伝(11月4日)は関東勢15校中最下位に終わった。不安を残して最終戦にして最高峰の箱根路に挑むことになるが、相楽豊監督(38)は「早大にはこれまで長い間、箱根駅伝を戦ってきた伝統と経験があります。3位以内を目指します」と前向きに話した。

 前回まで3年連続5区を走り、区間5、4、2位と好走した安井雄一(現トヨタ自動車)が卒業して抜けた穴は大きい。大木皓太(3年)、吉田匠(2年)、千明龍之佑(1年)が5区候補。「大木と吉田は5区に対する思い入れが強い。千明は中学までクロスカントリースキーをやっていたので上り下りが強い。大先輩で同じくクロスカントリースキー経験者の小林雅幸さんに通じるものがある」と相楽監督は期待を寄せる。

 出雲、全日本を欠場し、早大不振の原因となった永山博基(4年)と太田智樹の文字通り早稲田の“Wエース”が徐々に調子を取り戻し、登録メンバーに名を連ねたことは大きなプラス材料。「箱根で2区を経験した2人の存在は大きい」と指揮官は話す。

 登録メンバー16人中5人が1年生。「ストロングポイントは若さ」と相楽監督はルーキーが秘める潜在能力に期待する。新人エース格の中谷雄飛は出雲では3区4位、全日本では3区2位といずれも安定した結果を残した。「他校の上級生とわずかな差で走れたことは今後につながります」と中谷は前向き。太田智樹の弟の直希(1年)もメンバー入り。太田兄弟のタスキリレーが実現するかも注目される。

 生まれも育ちも香川・小豆島の向井悠介(1年)も注目だ。「(母校の)小豆島中央高校の陸上に詳しい先生に『小豆島出身で箱根駅伝を走れば初めてだから頑張れ』と激励されました」と笑顔で明かした。地元では毎年12月上旬に「小豆島駅伝」が開催される。今年が59回目だった伝統ある大会だ。中学生から60歳過ぎの大ベテランが走り、小豆島の一大イベントという。向井は中学1年から高校3年だった昨年大会まで6回出場。そのうち5回区間賞を獲得した小豆島駅伝の星だ。「地元ではみんな応援してくれています。僕が小豆島で初めての箱根駅伝ランナーになりたい」と向井は瞳を輝かせながら話した。

 早大は昨季も出雲9位、全日本7位から箱根は3位と巻き返した。「箱根駅伝に強い早大をお見せしたい」と相楽監督は力強く話す。07年以来、シード権(10位以内)を守り続けている名門の底力が試される。

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