【箱根駅伝】東洋大が2年連続往路制覇 5年ぶりの総合V狙う

スポーツ報知
往路優勝を決めゴールする東洋大5区の田中龍誠

 ◆報知新聞社後援 第95回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(2日、東京・読売新聞東京本社前―芦ノ湖、5区間=107.5キロ)

 第95回東京箱根間往復大学駅伝競走は2、3日、東京・千代田区大手町の読売新聞社前~神奈川・箱根町の芦ノ湖を往復する10区間217・1キロで開催。往路は2日、東京・千代田区大手町の読売新聞社前スタート、神奈川・箱根町ゴールの5区間107・5キロで行われ、東洋大が5時間26分31秒の往路新記録で2年連続7度目の往路優勝を果たした。2014年大会以来、5年ぶり5度目の総合優勝を目指す。史上初となる2度目の学生駅伝3冠と箱根史上3校目の5連覇を目指す青学大は3区で森田歩希主将(4年)が区間新記録の快走で首位に立ったが、4区の岩見秀哉(2年)、5区の竹石尚人(3年)が奮わず、首位から5分29秒差の6位でゴールした。復路(5区間109・6キロ)は3日午前8時に箱根町をスタートし、読売新聞社前のゴールを目指す。

 その1秒をけずりだせ―チームスローガンを体現する走りで東洋大が2年連続で往路を制した。1区は西山和弥(2年)が2年連続で区間賞を獲得し、最高のスタートを切った。今季、西山は出雲駅伝(10月8日)は2区6位、全日本大学駅伝(11月4日)2区14位と奮わなかったが、新春の大舞台で本来の力を取り戻した。箱根駅伝1区で1、2年時の連続区間賞は早大出身のマラソン日本記録保持者・大迫傑(27)以来、7年ぶりの快挙。「ここまで申し訳ないレースをしていた。きょうは4年生に支えられて区間賞を取れた」と感無量の表情で話した。

 2区は当日変更で投入された山本修二(4年)が中大の堀尾謙介(4年)と激しいトップ争いを演じた。18・5キロで堀尾を突き放し、独走。残り1キロで国士舘大のライモイ・ヴィンセント(1年)に首位を譲ったが、5秒差で戸塚中継所に飛び込んだ。花の2区で区間4位とエースの仕事を全うした。

 3区の吉川洋次(2年)はスタート直後に国士舘大を抜き、首位に浮上。区間新記録をたたき出した青学大のエース森田に残り1キロで交わされたが、辛うじて8秒差で耐えた。区間4位にまとめ、逆転の可能性を残した。

 圧巻は4区の相沢晃(3年)。山本と同じく当日変更で準エース区間に投入された。1時間0分54秒の区間新記録の“お返し”で首位を再奪取した。2・6キロで青学大の岩見を一気に突き放すと、終盤までハイペースを意地した。前回、神奈川大の大塚倭がマークした1時間2分21秒の区間記録を1分27秒も更新。さらに同じコースを1時間0分56秒で走破した同じ福島県出身の藤田敦史(駒大)が持つ「事実上の区間記録」も破った。相沢は前回2区で区間3位。区間賞を獲得した青学大・森田とは3秒差だった。「チームスローガンはその3秒をけずりだせ、ですが、僕はこの1年、3秒をけずりだすつもりでやってきました」ときっぱり。「目標は1時間1分30秒でした。藤田敦史さんの記録も超えられてよかった」と充実した表情で話した。

 5区は前回9位の田中龍誠(2年)が満を持して2年連続で山上りに挑戦。東海大の西田壮志(2年)に詰め寄られたが、堅実な走り“天下の険”を越え、堂々と芦ノ湖に一番乗りを果たした。

 東洋大は初優勝を飾った2009年以来の10大会で優勝4回、2位5回、3位1回とすべて3位以内と安定した成績を誇る。ただ、最大の目標である総合優勝は14年大会を最後に5年遠ざかる。「きょうの走りは復路につながると思います」と相沢は王座奪還への強い思いを明かした。

 5連覇を狙う青学大は往路では奮わなかったが、復路には6区のスペシャリスト小野田勇次(4年)や前回7区区間新記録をマークして金栗四三杯(MVP)を獲得した林奎介(4年)ら好選手を残しており、予断が許さない状況が続く。5年ぶり5度目の箱根路制覇のためには復路でも「その1秒をけずりだせ」を体現する走りを貫くことが絶対条件となる。

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