吉田沙保里さん、パワハラ騒動にショックも恩師・栄監督に「感謝」

2019年1月11日6時0分  スポーツ報知
  • 11年、3大会連続で五輪出場を決めて伊調馨(左)とポーズを決めた

 レスリング女子で五輪3連覇、世界選手権を合わせて16大会連続世界一の偉業を果たし、8日に現役引退を表明した吉田沙保里さん(36)が10日、都内で引退会見を開いた。本業のレスリング指導に加え、女性としての幸せを勝ち取る決意を口にした。バラエティー番組での活躍にも意欲を見せた。パワハラ騒動後、初めて恩師・栄和人前日本協会強化本部長(58)について言及。感謝の言葉を並べた。

 吉田がパワハラ問題について、初めて口を開いた。「私を育ててくれた栄監督と、頑張ってきた仲間がああいう状況になったのはショックだった。真実でない報道もあったかもしれない。コメントをするのは難しかった」。女子レスリングをともに引っ張ってきた伊調馨(34)=ALSOK=と、栄氏との騒動に心を痛めた日々を振り返った。

 吉田には2人の恩師がいる。3歳から指導を受けた父・栄勝(えいかつ)氏(2014年死去、享年61)と、2001年に中京女子大(現至学館大)に進学後、師事した栄氏だ。「ここまで世界で活躍できる選手に育てていただいたのは、栄監督。情熱のある方で、選手のことを一番に考えてくれる指導者。感謝の気持ちでいっぱい」。引退を伝え聞いた栄氏は「ご苦労さん。俺が泣きそうだよ」とねぎらったという。教え子の会見はテレビで見て「やっぱり寂しい」と惜しんだ。

 伊調は吉田が解説を務めた昨年12月の全日本選手権で優勝し、東京五輪への道を切り開いた。戦友の復活優勝を見届けながら、気持ちは揺らがなかった。「自分自身はやり尽くした思いのほうが強かったので、心は動かなかった。伊調馨選手はすごい選手。『東京五輪を目指す』と馨の口から聞いた時、率直にすごいな、と思った」。笑顔で“エール”を送った。

 伊調からは、所属のALSOKを通じてコメントが発表された。「世界で闘うようになってからお世話になりっぱなしで沙保里さんの明るさや優しさにいつも元気づけられてきました。突然のことで驚きましたが、第二の人生も楽しんでください。本当にありがとうございました」。2人の女王が下したそれぞれの決断。違った立場で、2020年へ歩を進める。(高木 恵)

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