青学大・岩見、箱根の雪辱…ハーフマラソン２位「また４区を任される選手に」

　第９５回箱根駅伝（２、３日）で初優勝した東海大と３分４１秒差の２位となった青学大は１３日、新チームの初戦として栃木・高根沢町で「高根沢町元気あっぷハーフマラソン」に出場した。箱根駅伝４区１５位とブレーキとなり、５年ぶりに優勝を逃す一因となった岩見秀哉（２年）は１時間３分４７秒で２位と健闘。復活への第一歩を記した。箱根８区２位の飯田貴之（１年）が１時間３分１０秒で優勝。東海大勢は練習の一環として設定ペースで走った。

　悪夢のような箱根路から、わずか１１日。男体山からの冷たい風が吹く中、岩見が熱い走りを見せた。実力派ルーキーの飯田に続く２位。「箱根駅伝より、いい走りができました。少し自信を取り戻しました」とホッとした表情で話した。

　箱根では準エース区間の４区を任されたが、東洋大の相沢晃、東海大の館沢亨次（ともに３年）に完敗し、首位から３位に後退。結果的に青学大が５連覇を逃す一因になった。「僕が流れを悪くした。自信を失いました」。５日、新チームの初練習でも元気のなかった岩見に、原晋監督（５１）は独特の表現でゲキを飛ばした。「レースでの借りはレースで返すしかない。彼女にフラれたら次の彼女をつくるしかない。それと同じだ」

　青学大では例年、高根沢ハーフマラソンには箱根を走らなかった選手だけが出場するが、今年は箱根路で苦戦した岩見、好走した飯田の２人が参戦した。指揮官は「岩見は早くいいイメージを取り戻すため、飯田はさらに勢いをつけるため」と説明。狙い通りの結果となった。

　原監督の岩見に対する期待は大きい。「逃げたら終わり。また４区にチャレンジしてほしい」。今回は準エース区間の重責に耐えられなかった岩見も、１年後のリベンジを誓った。「また、１年間、努力して４区を任される選手になります」。第９６回箱根駅伝に向けた戦いは、すでに始まっている。（竹内　達朗）

　◆青学大の第９５回箱根駅伝

　３区でエース兼主将の森田歩希（４年）が区間新記録の快走で８位から首位に浮上したが、４区で岩見が区間１５位と苦しみ３位に後退。５区でも竹石尚人（３年）が区間１３位で３人に抜かれ、往路６位と出遅れた。６区区間新の小野田勇次（４年）の激走など復路は意地の優勝を飾ったが総合２位に終わった。