17歳西村碧莉、大技決めた!初代女王「一番の滑り」…ストリート世界選手権

スポーツ報知

◆スケートボード ストリート世界選手権(13日、ブラジル・リオデジャネイロ)

 20年東京五輪の追加種目となるストリートの決勝が行われ、女子は17歳の西村碧莉(あおり、木下グループ)が32・6点で優勝し、初代女王に輝いた。男子はプロ最高峰ツアーのストリートリーグで今季3戦全勝だった堀米雄斗(20)=XFLAG=が22・1点で8人中8位に終わったが、五輪本番で日本勢のメダルラッシュの可能性が高まった。

 “敵地”の重圧も体調不良も打ち負かした。西村は地元ブラジルのスターで優勝候補だったレチシア・ブフォニと0・1点差の熱戦を制して優勝。表彰台の中央でトロフィーを手にし「すごく重い。自分が出せる一番の滑りができた。信じられないくらいすごくうれしい」と感慨に浸った。

 ストリートは手すりや階段など街中を模したコースで、技を連発する「ラン」を2回、一発技を競う「ベストトリック」を5回行い、計7回の試技から得点の高い4回の合計点を競う。西村は2回のランを終えて首位。圧巻は続くベストトリックの1回目。ほとんどの女子選手が挑まなかった背の高い大台の上のスライドレールにボードごと飛び乗り、板の裏で滑り降りる「リップスライド」を鮮やかに決めた。10・0点満点中9・0点をマークし、場内をどよめかせた。

 2日前から体調を崩した。耳に激痛が走り「まともに座っているのもしんどかった」。痛み止めで耐え抜いた。一度はブフォニに首位を奪われたが、最終5回目、再びスライド技で8・5点をたたき出し、逆転した。

 昨年11月に行われたパークの第1回世界選手権(南京)では16歳の四十住さくら(和歌山・伊都中央高)が優勝しており、日本勢から初代女王が2人誕生した。男子はストリートの堀米が優勝候補で、パークには平昌五輪スノーボード男子ハーフパイプ(HP)銀メダルの平野歩夢(20)=木下グループ=の参戦が見込まれている。試合後、自身のインスタグラムで「I,m soooooo happy」と喜びを表現した17歳を中心に、本番でもメダルラッシュの可能性は十分だ。

 ◆西村 碧莉(にしむら・あおり)2001年7月31日、東京都生まれ。17歳。7歳でスケートボードを始め、東京五輪で行われるストリート種目では、17年の第1回日本選手権で初代女王に輝いた。同年には世界最高峰の夏季Xゲームでも日本勢として初制覇。西野カナの「Girls」のミュージックビデオにも出演した経験もある。158センチ。

 ◆東京五輪のスケートボード競技 今回の「ストリート」と、複雑な形をしたくぼ地状のコースで空中に飛び出した時に繰り出すトリックを中心に競う「パーク」の2種目を実施。出場数は各20人で、国・地域別の最大枠は3。出場権は19年世界選手権上位者や、指定大会での獲得ポイントによるランキングで決まる。また、日本は男女各種目1人の開催国枠を得ている。

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