アトランタ五輪・自転車銅メダルの十文字貴信が引退

スポーツ報知
十文字貴信

 競輪選手で、1996年アトランタ五輪の自転車競技「男子1000メートルタイムトライアル」で銅メダルを獲得した十文字貴信(43)=茨城・75期=が、15日付で選手登録を抹消したことが分かった。

 十文字は、95年に競輪界にデビュー。96年5月、初めてプロに門戸が開かれたアトランタ五輪の代表選考会「全日本プロ選手権自転車記録大会」の同種目で、神山雄一郎、吉岡稔真といったビッグネームを破り、代表の座を手にした。

 7月24日に行われた五輪の本番では、1分3秒261の自己ベストをマーク。計22人が出場するなか、18人目までトップに立っていた。最後に2人の選手に抜かれたものの、自転車競技の日本選手では、84年ロサンゼルス大会「スプリント」で銅メダルの坂本勉(当時日大、のちに競輪選手)以来2人目、プロとしては初めてメダリストになった。

 同年暮れには、競輪のNO1決定戦「KEIRINグランプリ」に、五輪のメダル獲得者として優先権を得て出場。結果は無念の落車となったが、ニューヒーローとして脚光を浴びた。

 以降、特別競輪の常連となり、S級上位で活躍したが、2017年10月2日の富山競輪で落車した際に、ヒザと股(こ)関節を骨折する大けがを負い、戦線から長期離脱。再びバンクに戻る夢はかなわず、現役生活にピリオドを打った。通算成績は1512戦186勝。総取得賞金5億4305万1400円。

 ◆十文字 貴信(じゅうもんじ・たかのぶ)千葉県関宿町生まれ。43歳。取手第一高校卒業後、第75期生として競輪学校に入学。在校66位の成績で卒業し、1995年4月にデビュー。同年5月の松山で初優勝を飾る。G1競走で6度決勝に進出。最高成績は、99年全日本選抜の3着。ベストナイン表彰を3度受けた(96~98年)。177センチ、83キロ。血液型A。

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