紀平梨花、4回転は羽生流サルコー 来季挑戦へ“世界一美しい技”研究

スポーツ報知
ディズニーランドに近い会場にちなんでミニーのカチューシャを贈られ、笑顔を見せる紀平(カメラ・高木 恵)

◆フィギュアスケート 四大陸選手権(米国・アナハイム)

 【アナハイム(米国)9日=高木恵】8日に女子で初出場優勝した紀平梨花(16)=関大KFSC=が9日、会場で取材に対応。来季投入を視野に入れている4回転サルコーについて、五輪連覇の羽生結弦(24)=ANA=の“世界一のサルコー”を手本に磨きをかけていく考えを明かした。シニア転向後初めて同じ大会に出場する3月の世界選手権(さいたま)で、絶対王者のジャンプを目で学ぶ。

 4回転サルコーの来季投入へ、紀平が羽生に学ぶ。今季開幕前、羽生のジャンプコーチを務めるジスラン・ブリアン氏に指導を仰ぐ機会に恵まれ「世界一美しい」と評価される羽生のサルコーを手本にするよう言われた。動画を見て研究していることを明かし「こういうふうに跳べればいいなというのが出来上がっている」と手応えを口にした。

 ブリアン氏からはサルコーの踏み切りについて助言を受けた。「ほぼ左足だけで跳ぶものと、右足にも体重をかけながら両足で跳ぶものがあって。羽生選手の跳び方が私が変えた後の跳び方で、ネーサン・チェン選手は変える前の跳び方」と説明した。

 昨年8月のスイス合宿から新しい踏み切りにトライ。慣れるまでに時間を要し、3回転にも苦戦した。「初めは全然跳べなくて、4回転もなかなか挑戦しようという気にならなかった」ものの、反復練習を繰り返して土台が完成。1月の米コロラド合宿では、以前からたびたび決めていたトウループに加え、サルコーも降りるまでになった。

 過去に試合で4回転を決めた日本女子は安藤美姫だけだが、昨年3月の世界ジュニア選手権で当時13歳のアレクサンドラ・トゥルソワがサルコー、トウループの2種類を成功。12月のロシア選手権では同14歳のアンナ・シェルバコワが高難度のルッツを決め、平昌五輪金メダルのアリーナ・ザギトワ(いずれもロシア)を破って優勝した。

 SP、フリー合わせて3本の3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を跳ぶ紀平でさえ「どういう時代が来るか分からない」と危機感を口にする。3月の世界選手権では、シニア転向後初めて羽生と同じ大会に出場する。「じっくり観察してみたいなって思います」。22年北京五輪金メダルを最大目標に掲げる16歳が、絶対王者の滑りを目に焼き付ける。

スポーツ

×