池江璃花子は「普段通り我々に接してくれている。本当に頭が下がる」上野副会長明かす

スポーツ報知
池江璃花子の病状について会見する(左から)ルネサンス・三木二郎コーチ、日本水泳連盟・上野広治副会長、日本水泳連盟・青木剛会長、ルネサンス・吉田正昭社長

 日本水泳連盟は都内で12日、自身のツイッターで白血病であることを公表した競泳女子の池江璃花子(18)=ルネサンス=について同連盟の青木剛会長(72)、上野広治・副会長強化担当(59)、所属先ルネサンスの吉田正昭社長(62)、三木二郎コーチ(35)の4人が出席して約35分間の記者会見を開いた。以下、報道陣との質疑応答。

 ―詳細な診断名は?

 上野副会長「今現在お話しできるとすれば、白血病としか言えません。(急性か慢性か?)もう少し時間がかかると思います」

 ―治療の選択肢は?

 上野副会長「現状では何ともお話できる状況ではないと考えております。今日からスタートしている状況ですから、いち早く本人の希望で、病名も含めて発表させて頂きましたことをご理解頂きたいと思います」

 ―オーストラリア合宿の練習内容は?

 三木コーチ「日本と変わらない週9回練習で、ウェートトレーニングを2回。(池江は)2週目の後半からしんどいような姿を見せて、肩で呼吸するような動作がありました。次週2月4日に現地の病院に行く判断をした」

 ―池江選手の病気に立ち向かう姿勢とは?

 三木コーチ「くよくよせず、本当に直して、また元気な姿で練習して結果を出したいという気持ちは全面に出ていましたので、その気持ちを皆でサポートしていきたい思いはあります」

 ―合宿前の異変は?

 三木コーチ「合宿前の大会でもあまり良い記録ではなかった。その時にやはり疲れていた状況は見えていましたので、その疲れが抜ければ調子は上がってくるんじゃないかと2人で話していました」

 ―体調不良はいつから?

 三木コーチ「オーストラリアのトレーニングの中で調子が上がってこない。そこで泳ぎも崩れていましたので、今後どのようにしようか2人でしっかり話し合って。食事の面も気を使って、自分で体調を整えようとしていた。トレーニングの中で体調の変化が見られた」

 ―今後どうサポートしていきたい?

 三木コーチ「本当に前向きな姿勢で、白血病という病気に立ち向かって必ず勝つんだ、という姿勢を見せていますし、それに対して我々はサポートしたい」

 ―帰国して病名が判明した時は?

 上野副会長「病名は衝撃的だったと思います。(それから)3日ほどたちましたが、(池江は)昨日も、今日も、通常と大きく変化しているとは感じされず、普段通りに我々に接してくれています。そこには、本当に我々大人が頭が下がるという感じでみております」

 ―その時の様子は?

 上野副会長「(混乱の様子)私個人もそうですし、本人もまさか池江がこのような病名を言われるとは思っていなかった。思いもよらないような診断名で、本人は相当ショックだったと思います。それでも、日本選手権に出られるんじゃないか、来年の五輪はというところまではすぐ頭が回らなかったが、1時間もしないうちに前向きな姿勢が出て来ましたので。この病名を発表することも、彼女なりの決断だとご判断頂けたらと思います」

 ―早期発表について

 上野副会長「やはり日本選手権を断念しなければならないので。今年は五輪前年で、他選手への影響も含めて、リレーを考えて、いち早く包み隠さず、病名も含めて発表するという決断に至りました」

 ―東京五輪代表選考会での特別な救済策は?

 上野副会長「当然、池江選手も来年の選考会に特別の猶予があるという状況は考えていないと思っております。まずは来年スタート台に立てるかどうか。そして立てたとすれば、(五輪)出場条件の記録と順位は求められると思っております。それくらいの覚悟で、病気と戦っている気持ちはあると私は推測しております」

 ―池江の東京五輪への思い

 三木コーチ「本人が本当に一番ショックだと思います。ただ、この病気と闘っていくことで、また新たな池江という選手が強くなって戻ってくると我々も信じていますし。まだ可能性はゼロではありませんので。色んな意味で精神面でケアできたらなと思っております」

 ―病名発覚後の会話

 三木コーチ「2月10日に初めて病名がわかって、本人と話をしました。最初はお互い頭の中が真っ白で言葉が出なかった。本人が『早く直して、また二郎さんと練習ができるように頑張りたい』というお話がありましたので、それに対して、自分自身が今から何ができるか、をしっかり考えてやっていきたいなと思います」

 ―日大への進学は?

 上野副会長「まずは登校できるかという問題もございますが日大への入学、水泳部への入部は、本人とも確認を取っております。大学にも報告しておりますが、全く変更はございません」

 ―東京五輪への池江の思い

 三木コーチ「本人は間に合わせて、直すという気持ちは持っています。一番辛いと思うんですけども、しっかり受け止めて、今は完治することを優先して取り組むという姿勢は出ています。モチベーションは下げずに立ち向かう姿勢を全面に出してくれています」

 上野副会長「本人は東京五輪に、誰よりも出たかったと思います。現状は、わかりません。まずは病気を治すことに専念させたい。温かく見守って頂きたい。もしかしたら今年中にトレーニングできるかもしれません。ただ、このような病気を経て、トレーニングをさせたコーチは誰も居ません。20年の選考会のスタートに立たせられるかどうか。どうかそこまで温かく見守って頂けたらというのが水連、池江本人の希望です。宜しくお願いします」

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