池江璃花子、決意ツイート「乗り越えられない壁はない。必ず戻る」骨髄バンク登録に感謝

スポーツ報知
18年9月、アジア大会のMVPに輝き、トロフィーを手に笑顔を見せる池江璃花子

 2020年東京五輪の金メダル候補で競泳女子のエース・池江璃花子(18)=ルネサンス=が、白血病公表から一夜明けた13日、自身のツイッターを更新し、各方面から上がる励ましと支援の声への感謝と同時に、「必ず戻ってきます」と決意をつづった。この日までに日本骨髄バンクには、ドナー登録に関する問い合わせや資料請求が殺到しているほか、ツイッターのフォロワーも急増。日本中が池江の回復を心から願っている。

 闘病生活に入った池江から、心を込めたメッセージが届いた。この日の午後8時36分にツイッターを更新。「今の私の率直な気持ちです」と題し、約450文字で思いをつづった。

 冒頭で「ニュースでも流れる自分の姿に、まだ少し不思議な気持ちにもなります」と複雑な心境をのぞかせながら、「神様は乗り越えられない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています」と、力強く続けた。病に配慮しながらも、東京五輪での奇跡の復活を期待する声は後を絶たない。しかし、「競泳人生は大切なものです。ですが今は、完治を目指し、焦らず、周りの方々に支えて頂きながら戦っていきたい」と、完治を最優先にしていく考えを明確に示した。

 12日に白血病を公表し、各界に衝撃が広がった。それから一夜。日本中、いや世界中に支援の輪が広がっている。

 日本骨髄バンクによると、これまでは1日に1~2件だったドナー登録のための資料請求の申し込みが、池江がツイッターで病名を告白した12日の午後だけで270件に上った。テレビなどで白血病や骨髄移植に関する番組が放送された直後に数字が一時的に増えることはあるが、ここまでの急上昇は前例がないという。同時に、登録の仕方や条件などを問い合わせる電話も約70件寄せられた。

 池江もツイッターなどに寄せられた骨髄バンクの登録や輸血、献血をしたという声に感謝した。「私だけでなく、同じように辛い思いをした方達にも、本当に希望を持たせて頂いています」と、記した。

 現在は都内の病院に入院中。詳しい検査結果が出るまでには2~3週間かかる見通しだ。白血病には大別すると骨髄性とリンパ性がある。骨髄性だった場合に効果的な治療法として知られているのが、健康な骨髄を体内に取り入れる骨髄移植だ。バンクには18年12月末時点で、50万人弱のドナーが登録している。すぐに適合者が見つからないこともあり、1人でも多くの登録が必要だ。バンク関係者は「池江さんは五輪を控えている中で、病気を公表したのは勇気あること」と話した。

 池江は「しばらくの間、皆様に元気な姿をお見せできることができないかもしれません。そしてしばらくの間、私も皆様と同じく応援側に回ります」と、闘病に専念する覚悟を示し、「必ず戻ってきます」と強い決意で締めくくった。

 病名公表後、ツイッターのフォロワーは急増。13日午後11時半の時点で、ここ1週間の2倍を超える31万人に達した。世界中が祈りを込め、池江を見守っている。

 ◆日本骨髄バンク 1991年12月に財団法人骨髄移植推進財団が設立され、92年1月からドナー登録、同年6月から患者の登録受け付けを開始。93年1月に初の骨髄移植を実施した。ドナーは手術費や入院費、採取準備や入退院に必要な交通費は一切かからず、入院時に一時金5000円が支給される。16年10月に移植例が2万に到達。現在、バンクに登録している患者の6割程度が適合する骨髄が見つかるという。親族は適合率が高いが、すぐに適合者が見つからないこともあり、1人でも多くの登録が必要となっている。

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