阿部一二三「研究されていた…その上を行かないと」 初戦敗退のグランドスラムパリ大会から帰国
スポーツ報知
柔道男子66キロ級で世界ランキング1位の阿部一二三(21)=日体大=が14日、初戦の2回戦敗退を喫したグランドスラム(GS)パリ大会(9日・フランス)を終えて羽田空港に帰国。敗退後も大会終了まで会場に残り、宿敵たちの試合を見つめたといい「本当だったら自分がこの場に立っているはずだったのに…」と、悔しさがこみ上げたことを明かした。
同大会では、ランキング20位のイタリア選手に一本負け。「小学生ぶり」という初戦負けだった。「想定していたよりも研究されていた。組んだ瞬間からやりにくさを感じた。相手の重心が低くて」と明かした。
それでも「自分はその上を行かないといけない」と奮起。今後は得意の投げ技を駆使する「豪快な柔道」を取り戻すべく、組み手や足技といった投げ技以外も強化を図る。「自分の技に入れれば、(一本を)取れる自信はある。技をかけられる状態を作れるようにしたい」と意気込んだ。
大会後には、ホームステイをしながら現地のクラブチームの合宿にも参加。「フランスは練習前の打ち込みを時間かけてしっかりやっていた。僕も基本の練習はやっているけど、またしっかりやっていこうと思えた」と自身の柔道を見つめ直した。
同階級では世界選手権2連覇など敵なしだったが、昨年11月のGS大阪大会の決勝で丸山城志郎に敗れて暗転。雪辱を誓って挑んだ今大会だったが連敗を喫した。五輪代表の選考方法は正式決定はしていないが、国際大会の実績が重視される。そのため3連覇のかかる今年の世界選手権(8月・東京)の代表を勝ち取ることが重要になる。4月に行われる同大会の代表選考を兼ねた全日本選抜体重別選手権に向け「この2か月でしっかり立て直して、世界選手権につながる柔道をできるようにしたい」と決意を込めた。