【春呼ぶ青梅路】〈上〉口町亮、服部勇馬先輩とMGCで勝負するために

スポーツ報知
大会に向け調整する口町亮

 ランナーの祭典の「元祖」と呼ばれる青梅マラソンは17日、東京・青梅市で1万9000人(30キロの部1万5000人、10キロの部4000人)が参加して行われる。スポーツ報知では第53回大会の注目選手を3回にわたって連載。第1回は青梅路をステップに世界を目指す口町亮(24)=スバル=。

 まだ24歳ながら4度目の出場となる口町は、青梅マラソン30キロの厳しさも楽しさも知り尽くす。

 「20キロ過ぎの軍畑の上り坂はきつい。このポイントを乗り越えた後も細かいアップダウンが続く難コースです。ただ折り返した後、多くのランナーがすれ違いながら応援してくれて力をもらえることがうれしい」

 今回も気持ちが盛り上がっているが、唯一残念なことは対決を楽しみにしていた東洋大の先輩・服部勇馬(25)=トヨタ自動車=の欠場だ。「勇馬さんは世界で一番、尊敬するランナーです。ニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝、1月1日)の5区で抜かれてしまっているので、青梅でもう一度、勇馬さんに挑戦したかった」

 だが大先輩と勝負するチャンスは、まだ残っている。青梅から、わずか2週間後に東京マラソン(3月3日)に挑む。「目標は2時間10分切り。MGC(東京五輪マラソン代表選考会、9月15日)の出場権を獲得したい」。MGCには服部勇馬が待っている。

 「東京マラソンに向けて青梅30キロは大事なレース。余裕を持って1時間32~33分で走りたい。順位にもこだわります」。トレードマークとなっている眼鏡の奥の目を光らせた。人気作家・池井戸潤さんの小説「下町ロケット」にちなみ「口町ロケット」の愛称を持つ。大柄でダイナミックなフォームで爆発力あふれる走りが持ち味。青梅から世界へ発射する準備が整いつつある。(竹内 達朗)

 ◆口町 亮(くちまち・りょう)1994年7月11日、埼玉・川口市生まれ。24歳。川口西中1年から陸上を始め、2013年に市川口高から東洋大に進学。箱根駅伝は3年6区4位、4年3区3位。出雲駅伝は3年4区区間賞。全日本大学駅伝は3年3区区間賞。17年に卒業しスバルへ入社。自己ベストは5000メートル13分54秒90、1万メートル28分42秒36、マラソン2時間15分15秒。179センチ、64キロ。

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