“池江世代”浅羽栞が初V、同い年の友に「また遊ぼうね」

スポーツ報知
女子200メートル平泳ぎで優勝した浅羽栞

◆競泳 コナミオープン第1日(16日・千葉県国際総合水泳場)

 女子200メートル平泳ぎで“池江世代”が躍動した。18歳の高校3年生、浅羽栞(しおり)=VALUE SS=が2分25秒19で初優勝を飾った。白血病を公表したエース・池江璃花子(18)=ルネサンス=と同い年の期待の星が気迫の泳ぎで有力選手を抑え、友人として応援の思いを届けた。会場では、池江への寄せ書きが募られ、約500のメッセージが寄せられた。

 力強いキックは、友人へのエールのようだった。混戦の女子200メートル平泳ぎで抜け出したのは、18歳の浅羽。100メートルを2位で折り返すと、残り50メートルはリオ五輪代表の実力者・渡部香生子らとの競り合いを制した。「絶対負けない気持ちで泳いだ。初めて、ほぼ全員が日本選手権と同じようなメンバー。勝てて素直にうれしい」。色白の端正な顔をほころばせた。

 昨年のユース五輪(ブエノスアイレス)の同種目で金メダルを獲得した新星。昨年の日本選手権覇者・青木玲緒樹(ミキハウス)、同2位の渡部らを抑えて、堂々の優勝を飾った。予選では2分25秒12と自己ベストを更新。「決勝では24秒台が目標だったんですけど。実力がまだ足りていない」と、反省も忘れなかった。

 スイマーとして、友人として、池江のニュースにはショックを受けた。東京都水協が主催する合宿や国体などで交流を深めてきた。「同部屋で一緒に過ごしたり、仲のいい友達です。一緒に写真を撮ったり、結構やんちゃもしました」。何より、水泳に向き合う姿勢に心を動かされてきた。「練習中のモチベーションもすごく高い。私ももっと頑張ろう、と思える人です」

 病気の一報には、「信じられなかった」と視線を落とした。LINEで、一緒にはじけた姿で写った写真を送った。「また遊ぼうね」とメッセージを送ると、「またやろうね」と返ってきた。「また元気な姿で会えたらいい。一緒にいろんな話ができたらいいな」と、復帰の日を待ち望む。

 目標は、リオ五輪200メートル平泳ぎ金メダリストの金藤理絵さん。「金藤さんは五輪ですごく堂々と、圧倒的に優勝した。ああいうふうになりたい」。池江が少し休んでいる間、同世代が競泳界に新風を吹き込む。(太田 倫)

 ◆浅羽 栞(あさば・しおり)2000年8月4日、東京・三鷹市生まれ。18歳。4歳で水泳を始め、小学5年生からVALUE SSに所属。中学1年から選手コースになった。八王子学園八王子高に進み、昨年のユース五輪では200メートル平泳ぎ優勝。4月の日本選手権の同種目では6位だった。4月から早大に進学予定。趣味はドラマ観賞。168センチ、54キロ。家族は両親と兄。

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