スケボー界の新星17歳がV…藤沢虹々可、サーファーの父と始めた競技で「メダル取りたい」

スポーツ報知
優勝した藤沢の演技(カメラ・矢口 亨)

◆スケートボード 日本オープン・ストリート選手権(23日・ムラサキパーク東京)

 20年東京五輪で新採用されるスケートボードの日本オープン・ストリート選手権が23日、都内のムラサキパーク東京で開催され、女子の部は藤沢虹々可(ななか、17)=ACT SB=が17・9点で優勝した。今大会は5月の日本選手権とともに強化指定選手の選考を兼ねており、東京五輪につながる重要な試合。メガネがトレードマークの“スケボー界のアラレちゃん”は「東京五輪に出てメダルを取りたい」と野望を口にした。

 黒縁メガネをキラリと光らせ、藤沢が次々と難易度の高い技を披露した。決勝のラン1本目。予選では失敗した、台の上を板の後ろ側の部分で滑り切る「フロントサイド・テールスライド」を鮮やかに決めた。5・7点の高得点で首位に立つと、ベストトリックでも安定した演技を見せ、合計17・9点をマークして逃げ切り。「一発一発決めたときの高揚感がたまらなかった」。賞金15万円の目録を手に、笑顔をはじけさせた。

 アスリートでは珍しいメガネ女子だ。理由の1つは乙女心。両目の視力が0・01と低いのもあるが「自分の顔があまり好きじゃなくて…。目が小さいのをごまかせるかなと思って」。コンタクトも試したが、スケボーのコースで遠くを見ていると、どうしても目が乾いてしまう。いい演技を決めるため、小6の頃からあえてメガネを愛用する。

 サーファーだった父親に連れられ、6歳から近所の公園でスケボーを始めた。「もともと飽き性だったけど、ハマった」。10歳の頃、その公園で撮影した動画が「YouTube」で世界中に拡散。「天才少女現る」とネットをざわつかせた。昨年はストリート系スポーツの祭典「Xゲーム」にも招待され、力を蓄えてきた。

 同じ2001年生まれの17歳には、1月のストリート世界選手権(ブラジル)で初代女王に輝いた西村碧莉(木下グループ)もいる。「女子のレベルが上がったのは西村さんのおかげ。生ぬるくやっていたけど、女の子でもこんなできるんだ、と」。この日観戦に訪れた西村に触発され、練習にも一層熱が入るようになった。

 今大会と5月の日本選手権(新潟・村上市)のポイントで、海外大会にも派遣される日本ローラースポーツ連盟の強化選手が決まる。「五輪に出て、メダルを取りたい」と瞳に光を宿らせた。(太田 倫)

 ◆藤沢 虹々可(ふじさわ・ななか)2001年11月8日、神奈川・相模原市生まれ。17歳。6歳の時に父の影響でスケートボードを始める。17年11月には米カリフォルニア州で行われたスケートボードの大会「EXPOSURE2017」のストリート部門(15歳以上)で初出場1位。厚木清南高(神奈川)の通信制に通う。嵐の二宮和也の大ファンで「五輪でメダルを取らないと嵐に会えない」。161センチ、48キロ。

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