公務員ランナー川内優輝、一般女性ランナーと結婚 37歳でパリ五輪もイケる!

スポーツ報知
ゴールで必死の表情をみせる川内優輝(16年2月の青梅マラソン男子30キロの部)

 4月にプロ転向する公務員ランナーの川内優輝(32)=埼玉県庁=が5月に結婚することが11日、分かった。お相手は一般女性で、学生時代から互いを知るランナー仲間だ。びわ湖毎日マラソンで日本人2位の8位に入り、ドーハ世界陸上代表入りを確実とし、最高のパートナーを得た。

 最強ランナーを理解し、支えられるのは、やはりランナーだった。ひたすら走り続けた男が、ついに身を固める決心をした。毎週のようにレースに出場し、市民ランナーでありながら、3度も世界陸上に出場。唯一無二のスタイルを貫いたが、心身への負担も大きかったはず。プロ転向を一つのきっかけとして、背中を預ける覚悟をした。

 輝かしい姿の裏には、苦しんだ歴史もあった。春日部東高時代は5000メートル15分台。3年生になるとけがで結果が出ない時期もあった。学習院大に進んだのも「陸上に関係なく、雰囲気がいいな」と走ること以外の理由だった。アルバイトをしながら、学習院大初の箱根ランナーとして2度の6区を駆けるまでの努力は計り知れない。そんな泥臭い部分も知っているパートナーなら、これ以上ないだろう。

 プロランナーとしての集大成を「21年ユージーン(米国)世界陸上」と公言。さらに「パリ(24年)は場所がいいですよね」と比較的、涼しい都市で行われる24年五輪にも意欲的。「石川さんは36歳で五輪に出た。24年、僕は37歳になっているけど、実業団選手に比べて練習の走行距離が半分くらいだから、まだ、体がすり減っていない。それなりの力を保っていると思う」。16年リオ五輪に男女通じて日本マラソン五輪代表の最高齢となる36歳10か月で出場した石川末広(39)=ホンダ=の名前を挙げて、更新に意欲を示していた。

 プロ生活という未知の世界へ駆け出そうとしている男にとって、自分の走りに集中できる環境は欠かせない。結婚もその一つといえるだろう。サインに必ず書いている「現状打破」の4文字。ランナー・川内ではなく、人間・川内が大きな殻を破り、自分の幸せをつかんだ。世代を問わず、ランナーからもファンからも愛される絶え間ない笑顔。これからは、もっともっと、あの笑みが見られるに違いない。

 ◆川内 優輝(かわうち・ゆうき)1987年3月5日、東京・世田谷区生まれ。32歳。学習院大初の箱根駅伝ランナーとして関東学連選抜で07年6区6位、09年6区3位。09年埼玉県庁入り。マラソンは11、13、17年世界陸上出場。18年ボストン優勝。自己ベスト2時間8分14秒(13年ソウル国際4位)。175センチ、62キロ。家族は母・美加さん、弟・鮮輝(よしき)、鴻輝。

 ◆「力借りたい」念願の新婚パワー

 川内は、17年7月にゴールドコースト・マラソンに出場した際、美女ランナーの竹中理沙と結婚したばかりの野口拓也に優勝をさらわれ、2時間9分18秒で3位。「(新婚パワーは)なかなか強力だった」と驚きの表情とともに振り返ったことがある。自身は独身だったため「(翌8月の)ロンドン(世界陸上)では何か違う力を借りたい」と苦笑いしていた。自身も結婚により、念願の“パワー”を手にすることになりそうだ。

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