パラニッポンを支援するリクルートオフィスサポート、週2・5日の仕事に2・5日の競技活動

スポーツ報知
東京パラリンピックに向け活躍が期待される(左から)菅野、小田島、田澤

 東京パラリンピック(20年8月25日~9月6日)開幕まで、19日であと525日となった。車いすテニス・クァードクラスの菅野(すげの)浩二(37)、車いすバスケットボールの小田島理恵(29)、シッティングバレーボールの田澤隼(26)=いずれもリクルート=は、3人が勤務するリクルートオフィスサポートが推進するアスリート支援制度にも背中を押されメダルの見える位置まで成長してきた。日本で2度目の開催となる障害者スポーツ最大の祭典。それぞれに高まる胸の内を聞いた。(取材・構成=谷口 隆俊)

 3人が勤務するリクルートオフィスサポートは、障害者雇用の促進を目的として設立された、リクルートグループの特例子会社。1990年、リクルートプラシスとして発足し、2006年に現社名へ変更された。従業員324人のうち障害者は277人(昨年6月1日現在)で、グループ各社の総務業務や経理業務などの代行からハリ・マッサージといった、社員が快適な仕事をこなせるようなサポートなども行う。3人とも経営企画室広報グループに勤務。田澤は「求人媒体の企業審査をしています」。菅野は社内報の編集などがメインで「試合リポートや職場を訪れて、取材をしたりもする」。小田島の担当は求人情報の校閲作業だ。

 「フェア&ケア」という言葉がある。「障害があっても、ケアすればフェアに戦える」という考え方で、障害だけでなく、競技と仕事を両立するアスリートにも「ケア」を行う。その理念が反映されているのがアスリート支援制度だ。会社が認めれば週に2・5日は仕事、残りの2・5日は競技活動に取り組める画期的なシステムを導入した。同時に「競技生活を終えた時に、仕事ができないのは本人のためにならないと、会社が考えてくれている」(小田島)ことでもある。

 ただ、車いすテニスのように海外試合でのポイントが世界ランキングなどに大きく影響する競技の場合、仕事との両立が難しいことも。そこで、クァードで世界の頂点を狙うと決めた菅野は、親会社に“直談判”した。

 「海外に試合へ行くにはこのくらいかかりますとか、自分で企画書を練ってリクルートの本社にアタックしに行きました。内容が認められて、活動費を出してもらえるようになったんです」と菅野。現在はリクルート所属、リクルートオフィスサポートに勤務という形になっており「今はもう、遠征費の心配はありません」と喜んだ。

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