第100回箱根駅伝出場を目指す立大が、中大出身の名ランナー・上野裕一郎新監督を招聘

2018年11月13日14時0分  スポーツ報知
  • 立大の駅伝監督に就任した上野裕一郎(中央)と松尾哲矢副総長(左)、原田昭夫監督

 立大は13日、2024年の創立150周年に向けた記念事業として「立教箱根駅伝2024」プロジェクトをたちあげ、DeNAの上野裕一郎(33)が駅伝監督に就任することを13日、発表した。長野・佐久長聖高、中大、エスビー食品、DeNAでスピードランナーとして活躍した個性派選手が率いて、2024年の第100回箱根駅伝出場を目指す。上野新監督は11月末でDeNAを退社・退部し、12月1日付で就任。現役を続行し、異例の“ランニングマネジャー”として選手とともに汗を流す。

 半世紀、箱根路から遠ざかる立大が復活に向けて大胆な事業を始動した。強烈なラストスパートを持ち味として「スピードキング」の異名を持つ個性派ランナーの上野新監督を招聘(しょうへい)し、第100回箱根駅伝で1968年大会以来の復活出場を期す。

 「2024年の箱根駅伝出場に向けて全力で取り組みます。そして、箱根駅伝だけではなく、世界を見据えた指導をしたい。監督としての新たな挑戦に30歳を過ぎてワクワクドキドキしています」。東京・豊島区の本部キャンパスで堂々と所信表明を行った。

 立大陸上部は1920年に創部し、箱根駅伝には34年の15回大会に初出場。57年の33回大会では最高の3位になった。通算27回の出場を誇るが、1968年の44回大会を最後に出場していない。今年4月に就任した郭洋春総長(58)は「歴史と伝統のある本学が歴史と伝統のある箱根駅伝でタスキをつなぐことで、約2万人の学生と約20万人の交友が1枚岩になることを体現できる。箱根駅伝出場のハードルが高いことを理解しているが、文武両道を基本として、上野新監督に託したい」と大きな期待を寄せた。

 上野新監督は12月1日から指導を開始する。「現時点で競技引退は考えていません」と現役続行を表明。「ただ、軸足は指導者です。空いた時間で練習します。選手として五輪や世界陸上を目指すことはもうありません。最後に苦手なマラソンを克服したい。そういう姿勢を学生に見せられればいい。現役時代、私には派手で破天荒なイメージがあると思いますが、指導者として一から勉強します」。ギラギラしたトップランナーの顔ではなく、指導者の顔で落ち着いた表情で話した。

 DeNAの総監督を務める日本陸連長距離・マラソン強化戦略プロジェクトの瀬古利彦リーダー(62)からは「指導者は簡単なものではない。謙虚に低姿勢で頑張りなさい」という助言をもらったという。佐久長聖高時代の恩師で現在は東海大を率いる両角速(もろずみ・はやし)監督(52)にも新しい挑戦を始めることを報告。「両角先生には感謝の気持ちを忘れてはいけないということを教わった。将来、両角先生のライバルとなれるように頑張りたい」と静かに話した。

 50年以上ぶりになる復活出場への道は決して易しくないが、人気ブランド校の潜在能力は高い。「立教箱根駅伝2024」事業を中心になって推進する松尾哲矢副総長(57)は「来年の秋には選手寮を竣工(しゅんこう)予定です。アスリート選抜入試を活用し、有望な選手に入学してもらいたい。早速、これから勧誘を始めます」と説明する。埼玉・新座市のキャンパスにはすでに全天候型の競技場が完備されている。

 今年の予選会では28位。ぎりぎりの11位で通過した上武大とは37分45秒の大差があった。2024年の100回記念大会では出場校の増枠が見込まれている。強化期間を考慮した場合、まさに5年後の復活出場が現実的な目標となる。

 現在、大学駅伝界の頂点に立つ青学大は2004年に原晋監督(51)を招聘(しょうへい)すると同時にスポーツ推薦制度や選手寮を整備するなど強化体制を整え、強豪校への道を進んだ。青学大と同等のブランド力を持つ立大と個性派選手として鳴らした上野新監督の挑戦は大学駅伝界に旋風を巻き起こすことは間違いない。

 ◆上野 裕一郎(うえの・ゆういちろう)1985年7月29日、長野・佐久市生まれ。33歳。中学時代は野球部。強豪の佐久長聖高入学後、本格的に陸上競技を始め、すぐに大型スピードランナーとして頭角を現す。3年時には1万メートルで28分27秒39の日本高校記録(当時)をマークした。2004年に中大に進学。箱根駅伝は1年1区19位、2年3区3位、3年3区1位、4年3区2位。08年に卒業し、エスビー食品に入社。2009年、日本選手権1500メートル&5000メートルで2冠。同年のベルリン世界陸上5000メートルに出場した(予選敗退)。13年、エスビー食品の廃部によってDeNAに移籍。181センチ、61キロ。

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