早大1年生・半沢黎斗、復興のために箱根駅伝走る 故郷の福島・広野町を元気に

2018年12月27日5時40分  スポーツ報知
  • 箱根駅伝出場に向け順調に調整を続ける早大・半沢

 来月2、3日に行われる箱根駅伝(報知新聞社後援)に43年連続88度目出場の早大で、半沢黎斗(1年)=学法石川=が将来のエース候補として期待されている。昨年の全国高校総体1500メートルで優勝したスピードが持ち味。出雲は1区19位、全日本は5区14位と不完全燃焼に終わっているが、東日本大震災による福島第一原発事故の影響で、避難を余儀なくされた故郷の福島県広野町を元気にするため、箱根路での快走を誓った。

 憧れてきた箱根路で、これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らす。半沢は今月、学内で行われた集中練習で順調に20キロ走などをこなしてきた。ルーキーながら1区に起用された10月の出雲は脱水症状になり19位、翌月の全日本も5区14位と不本意な結果に終わっているが「いい練習ができている。これまでの駅伝は0点。結果を求められているので、チームの目標でもある総合3位に貢献できる走りを見せたい」と力を込めた。

 故郷への思いがある。広野町に住んでいた小学5年の3月に東日本大震災が発生。福島第一原発事故の影響で、家族でいわき市に転居した。小学時代はマラソン大会で常にトップのサッカー少年だった半沢は、中学から陸上に転向し、学法石川高3年時に1500メートルで全国高校総体優勝。家族が今春、広野に戻った際に7年ぶりに故郷に帰った。商店街や浜辺を走ったが「シャッターも閉まっている店が多かったし、海も(防風林などが)何もなくなっていた。防波堤は新しくなっていたけど、自分は昔の方が好きでしたね」。復興半ばの町を肌で感じたことで「自分が走っている姿を見て、広野の人が『頑張っている』と思ってもらえたらうれしい」と復興の一助となる決意を固めた。

 同じ福島県出身の相楽豊監督(38)も「トレーニングでは本当に強い。1年生だけど距離に対する不安は少ないし、将来的には主要区間を担える選手」と大きな期待を寄せる。2度の駅伝での失敗を“何倍返し”にもする力走で、正月の箱根路から、故郷に元気を与える。(遠藤 洋之)

 ◆広野町と震災 11年3月11日の東日本大震災では震度6弱を記録し、9メートルの津波が襲った。福島第一原発から20~30キロに位置し、13日に全町避難となった。同年9月に国の緊急時避難準備区域解除。1年後の12年3月末に避難指示が解除されたが、町北部にあるサッカーのトレーニング施設「Jヴィレッジ」がその後も原発事故対応の拠点となり、スポーツ施設として今年7月に一部再開した。震災前は約5500人(11年3月)だった人口は約4800人(今年11月)に減ったが、震災から7年半が経ち、帰還率は86%となっている。

 ◆半沢 黎斗(はんざわ・れいと)1999年12月3日、福島・広野町生まれ。19歳。早大スポーツ科学部1年。広野小時代はサッカーのクラブチームに所属し、MFやDFでプレー。東日本大震災の影響でいわき市に転居。平一中から陸上を始め、中学3年時に3000メートルで東北大会6位。学法石川高3年で全国高校総体男子1500メートル優勝。早大では出雲駅伝1区19位、全日本大学駅伝5区14位。165センチ、52キロ。家族は両親と兄。

箱根駅伝

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