初V御嶽海の母・マルガリータさん手記「クリスマスに生まれるなんて、本当にうれしかった」

スポーツ報知

◆大相撲名古屋場所14日目(21日・ドルフィンズアリーナ)

 関脇・御嶽海が悲願の初優勝を成し遂げた。地元の長野・上松(あげまつ)町内ではパブリックビューイングが開催され、幕内・栃煌山を寄り切った瞬間を見届けたフィリピン出身の母・マルガリータさん(48)がスポーツ報知に喜びの手記を寄せた。出羽海部屋にとっては1980年初場所の横綱・三重ノ海以来38年ぶり、史上2位となる通算50度目の優勝だ。

 本当におめでとう。うれしくて言葉になりません。胸がいっぱいです。優勝の瞬間は友人と抱き合って泣いてしまいました。みんなのパワーのおかげです。

 自宅のテレビで取組を見る時も「神様、お願いします」と必ず祈っていました。パパ(御嶽海の父・大道春男さん)と私が出会ったのが28年前の名古屋。愛する息子が名古屋場所で初優勝したのですから、家族の運命を感じました。

 思い返せば私が故郷・フィリピンで里帰り出産した時も運命的でしたね。(御嶽海の)誕生日は1992年12月25日ですが、出産予定日は翌年の1月。クリスマスイブにカトリックの教会でお祈りをして、日付が25日に変わってすぐに陣痛が始まりました。まさかクリスマスに生まれるなんて、本当にうれしかった。

 小さい頃から「ママ、ママ」と言って、私のそばから離れない甘えん坊は、3歳の頃から1日1リットルの牛乳を飲んでいました。3時のおやつは周りの子供が甘いものを食べていたのに、おにぎりをリクエストしてね。毎日握ったのが懐かしい。今の力士としての土台になってくれているのかな。

 相撲は小学1年生の時から。一人っ子だったから、みんなと遊びたくて始めました。地元の大会に初めて出て、自分より体の小さな子に負けて泣いて帰ってきた。「なんで僕、負けたの」って。あの悔しさが原点だと思っています。

 2人で会話する時はフィリピンのことを忘れないように、できる限り(公用語の)タガログ語です。勝ち越した8日目の電話はタガログ語で「マガリン(すごく上手)」と話したら「シェンプレ(当たり前)」と明るく返してきた。相撲を心から楽しんでいると安心しました。

 6月に実家で、ココナツミルクと鶏肉が入った、ちょっと辛めのフィリピン風カレーを3皿食べてから名古屋場所入りしましたね。日本のカレーは食べないのに、私が作ったものは昔からよく食べる。大好物も優勝の力になってくれたと思うとうれしいです。今からママのカレーを用意して帰りを待っています。

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