復活目指す稀勢の里、夏巡業３日目で初の土俵

　大相撲の夏巡業３日目が３１日、福井・勝山市で行われた。８場所連続休場からの復活を目指す横綱・稀勢の里（３２）＝田子ノ浦＝が、今巡業で初めて土俵に登場。幕下力士、秋場所（９月９日初日・両国国技館）での新入幕が確実な十両・隆の勝（千賀ノ浦）と２度、ぶつかり稽古で胸を出した。

　この日は取材対応せず口を閉ざしたが、負傷を抱える白鵬（宮城野）、鶴竜（井筒）の両横綱よりも先に土俵に上がった。わずか３６分間で朝稽古を切り上げた前日３０日から一変。すり足などの基本動作も含めて約２時間みっちりと汗を流した。出場すれば進退が懸かる秋場所へ確かな前進だった。

　突然の指名に隆の勝は「びっくりしたけど、うれしかった。横綱は重かったです」と話した。

　稽古中に稀勢の里は、巡業に帯同する兄弟子の西岩親方（元関脇・若の里）と会話。「やるのは本人」と同親方は詳細は明かさなかったが、「先輩としての気持ちを伝えただけ。先代師匠（故・鳴戸親方、元横綱・隆の里）がそばにいると思って稽古ほしい」と復活へのアシストもあった。