秋場所に進退をかける稀勢の里が夏巡業で申し合いを再開

　８場所連続休場中の大相撲の横綱・稀勢の里（３２）＝田子ノ浦＝が６日、長野・下諏訪町での夏巡業で関取衆との申し合いを開始した。この日の朝稽古で大栄翔（追手風）、正代（時津風）、佐田の海（境川）を相手に１４番（１２勝）。稀勢の里が関取衆と稽古で胸を合わせたのは名古屋場所前に、九重部屋に出稽古に出向いた７月４日以来１か月ぶり。

　稀勢の里が進退をかける秋場所（９月９日初日・両国国技館）に向けて本格的に動き出した。最初に指名したのは推進力のある押し相撲が持ち味の大栄翔。６番で２度、押し出されるシーンもあったが左を差すと「何も出来なかった。重い」（大栄翔）と格の違いを見せつけた。

　その後は正代との１番を挟んで、佐田の海を相手に７連勝。「付け人を通じて指名されました。勝てそうな感じもありましたが…。強いですね」。実戦からは今年初場所途中から７か月も離れているとはいえ、番付最高位の実力を示した。

　地元、長野出身の御嶽海以上に朝の稽古場での視線を独占した稀勢の里。「まだ始まったばかりだから。また明日。１日ずつやっていく」と多くは語らず。前日まで数日おきに十両力士を相手に胸を出して体をならしており、「体の動き？　いいと思うよ。１週間、体を作ってきたから」と復帰のステップが第２段階に入ったことを明かしていた。